『宇宙SEXマシーン対宇宙刑事』

本SS(短編小説)は、2005年に執筆した恐らく未公開の作品です。

<1>

20XX年、日本国の某県庁所在地。

今日もこの街では、スペルーマ星人の作り出した戦闘マシンが大暴れしている。

駅前のアーケード街を疾駆する大きな黒い影。

全高1m、全長2.5mの4足歩行型戦闘機械『ヤクトタイガー』である。

「がおおおん!!」

戦闘機械はたち止まってほえると、背中から無数の小型ロケット弾を射出した。

電器屋、喫茶店、焼き鳥屋、本屋と目標を選ばず次々と着弾する。

ずどどどーーーーん!!

飛び散るガラス、倒壊する不動産屋。

ランジェリーショップのショーウィンドウもめちゃめちゃである。

「きゃああああ」

「うわあああ!!」

「ボスケテ!」

歩行者はクモの子を散らすように、逃げ去っていく。

「がおおん!!」

「やめろっ、危ないだろうが!これ以上はこの宇宙刑事ヒャパンが許さん!!」

アーケード街を横切る道路から颯爽と現れたのは、黒い戦闘スーツの男。

スペルーマ星人の欲望を打ち砕くため、銀河警察から派遣された新米宇宙刑事ヒャパンだ。

「ぐぎぎぎ、現れたなヒャパン。待ちくたびれたぜ。」

「いつも腑抜けな戦闘機械だからな。おまえみたいな本格的な相手だと、武器を選ぶのに時間がかかるんだ。」

「そんな新米に、俺様が倒せるかな!?」

「俺が倒せなくても、この武器が倒してくれるさっ!」

ヒャパンは肩に背負った筒型の兵器を両手で構え、先端を敵に向ける。

「とどめだ!スーパーマイクロニュークリアロケットをくらえ!!」

「ま、まて、もうとどめかよ!?自己紹介もしてないだろうがよ!?」

「つべこめ言うな!いくぞーーーっ、ターゲットロック!」

ヒャパンは50m先の戦闘機械に狙いを定め、引き金に指をかけた。

まさに引き金をひかんとする瞬間。

彼の目の前には、白くて形のいいむちっとした太ももが現れた。

それに蹴り上げられ、ヒャパンの武器は上方へ跳ね上がった。

「何!?」

彼が状況を認識する前に、斜め左前から突き出たこぶしが、彼をはじきとばした。

数mふっとばされて、地面に叩きつけられた。

「ぐはっ。いたたた・・労働災害もんだぞこれは・・」

上半身を起こして腰をさする。

「帰りにサロ○パスかわなきゃいかんな・・」

立ち上がろうとして前をみるヒャパン。

腕組みして、目の前に立っている美少女を認めた。

「ほ?」

「・・・おまえがヒャパン・・・」

返事をする前に、ヒャパンは彼女の容姿に目を奪われた。

藍色のハイヒールに、むちっとした健康的な生足。

「4つ足、あとは私に任せておまえは戻れ。」

「承知した。おまえの活躍を司令部から見てるぞ。」

オレンジのミニスカートは捲りたくなるくらい短い。

上半身はセーラー服風のレオタード戦闘スーツに包まれていた。

体にぴったりの白いレオタードの下から、発育のいい乳房が自己主張している。

それを隠すように、胸には大きな藍色のリボンが付けられていた。

また、純白の手袋はひじまで伸びていて、ひじから肩までは丸見えである。

おもわず脇の下を覗き込む。

毛はなかった。

身長は160cmくらい。

ヒャパンと頭は半分くらいの違いだ。

「かっ・・かわいい・・」

まゆはつり上がっているが、ヒャパンの思考回路を完全にとめるほどの美しさだ。

年は17か18といったところだろうか。

今年社会人入りを果たしたヒャパンより、少し年下だ。

黒くてつやつや髪の毛はおしりまで伸びていた。

髪の美しさや、体つきのよさもさることながら、この子の顔立ちはどんなグラビアアイドルもたじたじになりそうなほどであった。

端正な頬の肉付きといい、フランス人形のようなまつげといい、まるで愛と美の女神のようである。

ほぼ一瞬でヒャパンのハートを射止めたその顔立ちは、単に美しいだけでなく、聡明さやりりしさをも持ち合わせているように見えた。

とにかく、ヒャパンは目の前の美少女を見て、総毛立った。

美しさに圧倒されて、ナニがたつのではなく、全身がしびれてしまったのである。

「わわわわ・・こ、こんち、こんちには・・」

女の子は両手に腰をあててため息をついた。

「こんにちは。私は、戦闘機械シコシコズコピュー・ブルセーラ。おまえを骨ヌキにするために作られた。」

「せ、戦闘機械・・君が、戦闘機械!?」

「そうだ。おまえを倒すための決戦兵器だ。私はあの四足のように、兵器は使わない。私が使うのは、快楽と愛情だ。私がおまえを包み込む。そしておまえの心身を支配するのだ。」

ヒャパンは股間が固くなってくるのを感じた。

戦闘スーツは大きめに作られているので、ちん○が窮屈になることはない。

しかし・・ヒャパンは背中に冷や汗をかいていた。

(か・・・確実に負ける・・・こりゃ、勝てないぞ。)

女の子は、にこりともせず続ける。

「どうだ。このブルセーラはおまえの好みに作られている。もうドキドキするだろう?今日から私とおまえは一緒に暮らすんだ。喜ぶがいい。おまえは何度も何度も私を抱いて欲望を私のおなかに打ち込むんだ。そうするうちに、愛情が生まれ、おまえは私のドレイになる。いいだろう・・?私を、おまえの望みどおりにできるんだよ。」

小悪魔的にブルセーラは微笑んだ。

「そ、そううまくいくもんか!返り討ちにして、おまえを俺のドレイにしてみせるぜ!」

「・・・・うふふふっ。いいよ、やってみるといい。私にも、愛する心がある。おまえのやり方しだいで、私をドレイにできるかもしれないよ。でも・・おまえと私の生活の様子は、すべて司令部に送られるんだ。収集されたデータは、新たなシコシコズコピューの設計・生産に使われる。私とおまえが敵同士であることを乗り越えて、愛し合ったところで、おまえが勝つわけではない。シコシコズコピューが大量に生産されれば、この惑星はスペルーマ星人のための精液牧場となるのだ。ふふふふ、どうする、ヒャパン?」

ヒャパンは、ようやく立ち上がった。

ちん○は勃起しているが、ゴツイ戦闘スーツのおかげで股間の膨らみは分からない。

「ちょっと話がすぎたね。私としたことが、余計なことまで言ってしまった。」

ブルセーラは二歩、三歩と歩いて、ヒャパンに近寄ってくる。

「うふふっ、ヒャパンー♪」

そういうと、彼女は抱きついてきた。

「うわっ・・」

ヒャパンの戦闘ヘルメットに頬をくっつけてくる。

「私のだんなさんになって!」

「わ、悪いことはいわん、戦闘機械であることをやめるんだ!」

「やめたって、スペルーマ星人の侵略は続くんだよ?」

「一緒に戦おう!!」

「私をトロントロンにしてくれたら、いうこときいてあげるよ♪」

萌えっ!!

「ヒャパンー。はやくこのヨロイ脱いでよー。はやくはやくぅー」

甘えるようなブルセーラの声に抗し切れず、僕は変身を解いた。

しゅるるるる・・

光につつまれ、彼は一瞬にしてしがない大学生風の姿となった。

ブルセーラは、戦闘スーツの厚みが無くなった分腕をきゅっと締め、僕を強く抱く。

僕は思わず、彼女のほうにキスした。

チュッ。

「ブルセーラ・・ちゃん・・」

「戦闘機械の前で変身を解くなんて・・よっぽど私に夢中なんだね・・」

「はっ、しまった!」

ブルセーラはにこっと優しい笑みを浮かべた。

「心配しなくていい。私は暴力を使わないから。私が使うのは、この体とこの魅力だけだ。ふふふ、さぁ、私にたっぷりと溺れるがいい。お前は今から、私の熱心な崇拝者になるのだ。」

「は・・はい・・」

「うふふふふっ、まだ交尾すらしていないのに。好きになってしまったの?」

ブルセーラはそういうと、ヒャパンと鼻先をこすり合わせた。

そしてそのまま口付けをし、彼女は舌先をヒャパンの口内に押し込んできた。

あたたかくぬるぬるの舌が、ヒャパンの頬を内側から犯す。

ヒャパンは朦朧とする意識の中で、ブルセーラの背中を愛撫した。

すべすべでぬくもりのあるレオタードの生地がとても気持ちいい。

ぬちょ、ぐちゅっ。

下品な音を立てながら、二人の接吻はいつまでも続く。

「んっ、んんん♪」

甘いブルセーラの声がもれるたびに、ヒャパンの脳髄がしびれる。

ヒャパンは両手を、彼女の胸にあてた。

と、びくっとしてブルセーラは接吻をやめた。

「あっ・・はぁ・・はぁ・・」

見ると、彼女は頬を朱に染め息を切らしている。

「君もまんざらじゃないみたいだな。」

「”乙女心”が発動しただけだ。」

「ブルセーラ、悪いことはいわない。スペルーマ星人と縁を切って、俺と一緒に戦うんだ。」

「私はおまえを倒すためにここにきたのだ。おまえの仲間になるためにここにきたわけじゃない。」

「ブルセーラちゃん。そんなつれないこといわないでくれよ。」

ヒャパンは両手をあてたおっぱいをもんでみた。

暖かいそれは、マシュマロのように柔らかい。

「やん!」

はじけとぶようにブルセーラは離れた。

「やだ、むね・・くすぐったいよぉ。」

両手で胸をまもるブルセーラ。

純潔さを丸出しのセックスマシーンを前に、さすがのヒャパンもタジタジだ。

「ヒャパン、ごめん、つい・・その、初めてだから、私・・」

ブルセーラの顔は真っ赤だ。

初めて、ということばにヒャパンの心臓は高鳴る。

(萌えっ・・)

「こ、こほん。俺と勝負するなら、俺の部屋にくるんだ。ここじゃ、ちょっと人目につくからな。」

「えっ・・。うん・・・」

急にしおらしくなって、下を見る彼女。

「べ、別に、無理にとはいわないぞ。いやなら帰っていいんだ。」

「帰るわけにはいかない。」

「じゃ・・じゃあ、おいで。」

しばらく考えて、ブルセーラは頷いて変身を解く。

光の粉が彼女を包むと、白い半袖セーラー服を着た女子高生になった。

「さっきまでの勢いはどうしたんだ。」

「ちょっとびっくりしただけよ。あんなとこ触られるなんて初めてだもん・・」

「そんな調子じゃ、俺を倒すことはできんぞ。」

「勘違いしているようね。私がびっくりしたのは、私が高性能すぎるからなのよ。」

「ふぅん?」

「な、何よその見下げたような目は!情が高まるのが早すぎて、ちょっと怖くなっただけなんだから。」

「情・・、じゃあ、もう一度やってみようか。」

「やっ、ここじゃいやよ!」

そんなブルセーラを連れて電車で20分。

ヒャパン(地球名:東上まきお)は自分のアパートに着いた。



ブルセーラがヒャパンの部屋にきてから三日が過ぎた。

二人で抱き合って、キスするところまでは何度もした。

でも、そこからが進まない。

まきおは進めなかった、怖くて。

もし、ブルセーラで射精してしまえば、もっともっと好きになる。

ましてセックスを一度すれば、もうこの子のとりこになってしまうだろう。

まきおは恐れていた。

昼と夜は、ブルセーラが添い寝してくれる。

この添い寝がたまらず、彼は途中でおきて、トイレで何度も何度もオナニーする。

7、8回射精して、またベットに戻る。

ブルセーラが寝ている間にしてるから、ばれていないはずだ。

オナニーの回数はものすごく増えた。

太もも、おっぱい、腰、顔つき、髪の毛・・

彼女の体はほぼすべて、おかずにできた。

彼女の体を妄想して、物音立てずにトイレでオナニー。

オナニーで欲望をヌキとるつもりが、かえって欲求不満を募らせてしまっているような気がした。

まきおはブルセーラとエッチしたくてたまらない。

静かな日曜日の昼間。

冬の日が差すリビングルームで、ソファに横になるブルセーラ。

ミニスカートからはみ出る生足。

まきおの視点からは紺色の下着丸見え。

下着というか、それは・・ブルマーのようだ。

まきおは欲情してしまった。

(オナニータイムか。トイレいかなくっちゃ。)

「ねぇ、マキくぅん。」

「え、なになに?」

「マキくぅん、私のこと、好きなんだよね?」

「うん、大好きだよー。」

「私の体見て、ぐっとこない?」

「え?ぐっと、ってなにかな?」

「私のからだで、射精したい気持ちにならないの?」

「え・・あ・・」

「セックス、したいよね?我慢してるんでしょ?」

「いや、そういうわけじゃ・・」

「好きすぎて、手を出せないんでしょ?」

その言葉は、まきおの気持ちを言い当てていた。

思わず本音をこぼしてしまう。

「その、怖いんだよ、君におぼれちゃいそうで。」

「それで、我慢してたんだ?」

「我慢ていうか・・」

「オナってたんでしょ?毎日シコシコ。ちゃーんと分かってるんだから。」

「えっ・・」

「君が眠ってる間に、おちん○○のたんぱく質検出しちゃったよ。すっごくいっぱい出してたでしょ。昼8回、夜も8回くらいヌいてたでしょ?」

「ううっ、だって、だって、君が可愛すぎるんだよ。」

「悪いけど、今から君の愛情、悪用させてもらうね?うふふふ、溺れさせてあげる・・」

まきおの脳内で、赤ランプがともった。

(いかん・・)

しかし、どうしていいか分からない。

昨晩もベットでキスを交わしながら愛を誓い合った相手だ。

腕っ節で押さえ込むわけにもいかない。

早い話、まきおは敵を恋人にしてしまったのである。


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