『淫魔王女対凡人』

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本SS(短編小説)は、2004年から2015年ごろまでWisper様に掲載されていた作品です。

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王都についた僕たちは、オターランド国王と王妃から謁見を許された。

魔女っ子ナイツがことの経緯を説明したが、彼女たちは僕をかばってくれた。

僕の件は、悪魔の不意打ちで捕縛されたものとして、報告された。

まあ、「淫魔を好きになってエッチに溺れていた」なーんて報告された日には、ひあぶりものだから、こう報告してもらわないと困るんだけどね。

報告を終え一礼をすると、僕たちは謁見の間を後にする。

お昼はどこで食べようか魔女っ子ナイツと話しながら、城門を抜けたときだ。

僕は、いかにも胡散臭い人物に呼び止められた。

黒いローブをまとい、口元も黒い布で隠した女性。

まるで、暗殺者のようないでたちだ。

オターランドの体感気温はさほど高くないとはいえ、暑苦しそうな格好。

「ヒデマロどの。ヒデマロどの。お待ちください。」

「あなたは・・」

僕が振り返っていうと、美沙緒がわりこんでくる。

「あなた、誰?何の用?」

女性の目が、邪魔するなといわんばかりに鋭くなる。

「私は、ヒデマロどのにお話したいことがあって参った者。他の方に申し上げることは何もございませぬ。」

「話があるなら、聞こうじゃないか。」

「では、あちらへ・・」

女は城壁補修の資材が積まれている、人気のない場所を指した。

「ちょっと。私も聞くわよ。」

「それは、なりませぬ。ヒデマロどのにだけ話を伝えるようにと、いいつけられております。」

「随分厳重なのね。」

「3人は先にご飯を食べておいでよ。僕はこの人の話聞いて、それから食べるからさ。」

魔女っ子ナイツ3人組は仕方なく僕の提案を聞き入れ、その場を去った。

女は、3人が去ったのを見届けるなり、無言で資材置き場のほうへ歩き始めた。

僕もついていく。

切り出した石や木材がきれいに詰まれた場所の、一番奥まったところで、女は足を止めた。

彼女は僕に近づいて耳打ちする。

「こともあろうに淫魔に惑わされ、危うく子供までもうけてしまうところだったとか。国一番の勇者ともあろうお方が・・」

くっ・・なんでそんなことを知ってるんだ?

「そんなことでは勇者はつとまりませぬぞ。」

僕は黙っていた。

「今回は間一髪無事で済んだものの、次回またこううまくいくとも限りません。」

「何がいいたいんだ。」

「訓練を積むのに、良い場所がありまする。」

「訓練?」

「技に長けた娘と交わるのでございます。」

ぬ、ぬぅぅ・・!

「もちろん、娘をお気に入り頂いたのなら有償にてお譲りすることも致しますぞ。」

そりゃ・・奴隷だよ・・くうう、良心の呵責を感じる・・

「訓練とはいえ、半分以上は娯楽とも思えるやもしれません。試して見るだけの価値はあるかと・・」

「いったい、この国のどこにそんな怪しい場所が・・」

「この城の地下。秘密の施設がございます。」

「なんと。それは知らなかった。」

「実は、この資材置き場に、かの場所への入り口がございます。といっても、目には見えませんが・・」

「今すぐ行けるのか?」

「はい。ヒデマロ様のご意志次第でございます。」

暗い地下の一室で、女の子とエッチ。なんか萌える。

しかし・・これは罠かも。怪しい。

「このままでは、淫魔にも美沙緒様にもやられっぱなし。いずれこのどちらかの尻にひかれる日がきます。」

「くぅっ!」

「ここで技を身に付け、女どもをよがり狂わせ、思い通りにするのです。この機会、一生に一度かもしれませんぞ!?」

「よし、その話のった。」

「・・・では、早速。」

女は小声で詠唱を始める。

短い詠唱が終わった途端、急に目の前が白くなった。

急に、周囲の空気が冷たくなる。

鼻腔の奥がツンとする妙な臭気。

・・・・そして、あらゆる方向から溢れてくる淫らな声。

十秒ほどかかって、視力が回復する。

僕は、見知らぬ地下道にいた。

壁には一定間隔でランプが備え付けられており、足元はそう古くない赤レンガが敷かれている。

道は勾配のない一本道。後ろは袋小路。まっすぐ進むしかない。

危険な場所という印象ではない。

そばをみると、例の女がいる。

「ここは、あるお方直営の訓練所にございます。」

「王城の地下にか。ただの貴族ではないだろう?」

女は目で笑ってみせる。

「ヒデマロ様専用の部屋がすでに用意されております。突き当たりの右側。256号室でございます。」

「準備がいいな。」

「それはもう。あるお方にしてみれば、あなた様は餌食、ということになりますから・・」

「餌食?どういうことだ?」

「256号室の娘は、あるお方の操り人形。その操り人形が、さらに、あなた様を操るようになるのでございます。肉と情の力で。」

「・・・ずいぶんとキミは協力的なんだな。わざわざ僕に、色仕掛けのことを教えてくれるのか。」

「いえいえ、あるお方からここまで申し上げるようにと・・」

「その人は、相当僕を馬鹿にしてるな・・」

「あなた様が淫魔に堕とされたことを知って、大笑いされておりましたよ。」

「くぅっ・・」

「さて、私はこれで。」

「えっ?」

「あなた様にはここで快楽の虜となって頂きます。」

「く、罠か・・」

「ふふ、苦しいことは御座いません。あるのは快楽と愛のみ。たっぷり調教されて、ミルクどのの従順な肉人形となってくださいませ・・くふふふ・・256号室で、ミルクどのがお待ちしております。」

「ミルク・・・・」

「あなたの精神では、二日と持ちますまい。」

「何!?」

「では、これで。」

詠唱も何もなく、一瞬で、女は姿を消す。

この手の瞬間移動は、かなり高位の魔術だ。

やはり罠!

これは、大変なことになったぞ。

もしかしたらと思い、僕も移動魔法を唱える。

が、一瞬身体の周りに火花が飛ぶだけで詠唱に失敗した。

・・仕方ない。

玉砕覚悟で256号室にいってみよう。

回廊を歩くと、壁沿いにいくつものドアがあった。

どれも取っ手がなく、外からは開けられないようになっている。

しかも、中から聞こえてくるのは、エッチな声だ。

訓練所というよりは、洗脳所といった感じか。

女の子を魔法で操り、男を犯させる。

男をセックス漬けにして、どんな命令でも聞くように調教する。

怖い怖い。

周囲を警戒しつつ進むと、袋小路に辿り着いた。

突き当たり、そして左右に金属製のドアがあった。

向かって右側の壁に、256と書かれたドア。

ドアは少し開いていた。

僕は吸い込まれるように、何も考えずドアを開けて部屋に入った。

ぎぃ・・

中は、僕の高校の保健室そっくりだった。

「えっ!?保健室・・?」

驚く僕の後ろでドアが閉まった。

ぎぃぃぃ・・バタン!!カチリ。

う、今のは、ドアにカギがかかった音か?

僕は慌てて振り返り、ドアのノブを握る。

ダメだ!

閉じ込められた!!

「あ〜ら。罠にはまった愚かな勇者様。」

僕は声のほうに向き直る。

保健室のベッドのそばに立つ少女。

どっからどうみても、体操服姿。紺色のブルマ。

シャツの裾を外に出しているため、ブルマはちょっとだけ見えている。

いますぐ頬擦りしたくなるような、肉付きのよい太もも。

美沙緒に似たつやのあるロングヘアーに、頭の後ろで結んだ赤いリボン。

アイドル系だけど、面倒見のよさそうな優しい顔立ち。

男を誘うような目つきが、また萌える。

直径3cmのツララが心臓につき刺さったような衝撃が、僕の全身を走る。

めっちゃ可愛い!!

シャツの名札には『ミルク』の文字。

ぐわ、この子がミルクちゃんか!?

「あ、あわわわ・・」

僕の間抜けな反応に、女の子は腕組みして僕の近くによってくる。

近寄るにつれ、彼女の表情が曇ってくる。

「だいたい・・明らかに罠なのに、どうしてここにくるわけ?」

えっ・・?

「ちょっと失望したわよ。勇者であれば、自分の身も大切にしなければならない。無駄に自身を危険に晒すようなことがあってはいけないはずよ。」

セックス漬けで洗脳、とかそういうんじゃなくて、多分、今、この子にまじで怒られてる。

ミルクちゃんは、大きくため息をついた。

「はーーー。やっぱり、まだまだ未熟ね。ま、でもしょうがないか。まだ20年も生きてないんでしょ?坊やよね。」

「キミだって、僕と同じくらいの年だろ?」

「違うわよ。あなたよりずーっと年上。あはっ、私よ、私。誰か分かる?」

「分かるって・・誰だよ。」

「あなたと夜を過ごした悪魔よ。」

「まさか、ミルバさん・・」

「あはっ、やっと分かった?」

う、嬉しい・・まじで嬉しい・・まじ嬉しい・・

再会できて、泣きそうだ・・泣きそうなまでに嬉しいけど、やばい・・

こんな逃げ場のないところでミルバさんに犯されたら・・

やべぇ、助け来る前に、まじ子供できちゃう・・まじやばい。

「ミルバさんのこと、やっぱり忘れられなくて、会いたかったです・・」

「浮気してどっかいったかと思えば、会いたかったですって?そんなことなら、私と離れなければよかったのよ。はあ、あなたってお馬鹿さん・・」

「あのときは、体が尋常じゃなくて、理性を失っていたんです。やっぱり僕にはミルバさんが・・」

「何が”やっぱり”よ。私はあなたの敵よ。今日だって、あなたをやっつけるためにここに来たんだから。」

「やっつけるだなんて、そんな。せっかく再会できたのに・・」

「・・うふ。いいわぁ、じゃあ早速、再会の喜びを分かち合いましょう?」

そういってミルバは僕に抱きついてくる。

くはぁ、体操服の同い年(??)の子を抱けるなんて・・!

ミルクちゃんって、結局、ミルバのことなのか?

話が飲み込みきれないまま、欲望だけが膨らんでいく。

僕は両手をミルバの腰にまわし、ブルマごしにお尻をなでたり、太ももを触ったり。

彼女は彼女で、僕の両肩をだき、ぶちゅっと、濃密なディープキスで責めてくる。

身長が大差ないため、キスしやすい。

レロレロと、舌が激しく求め合う。

彼女がまとう、柑橘系の香りもたまらない。

もうペニスはパンパンだ。

ああ、服を脱がなきゃ・・

僕の手はめちゃくちゃに動いて、彼女の下半身を後方から責める。

お尻お尻、太もも太もも・・

体がむちむちすぎて、ピチっと張ったブルマ。

ミルバは舌を引き抜き、キスをやめる。

「ああん☆そんなに私の身体を求めて。私は淫魔よ。それでもセックスしたいの?」

「するだけじゃなくて、あなたが欲しいんです。自分だけのものにしたい・・」

「うふふ、やだよーだ。」

以前と違って、言葉使いがくだけている。

とても親しい感じ。

「あなたが、私のペットになるの。」

「うん。それでいいや。」

「じゃあ、おいで・・さあ、こっちに・・」

ミルバは、僕を抱いたまま、ベッドのほうへ誘導する。

そして、ベッドまで来ると僕を解放した。

彼女はベッドの中央にぺたんとお尻をついて座る。

白い太ももが僕の目の前にあらわになる。

僕は、己の命と引き換えでも、彼女を抱いてしまうだろう。

彼女はM字開脚した。

ブルマを右手でずらし、女性器をあらわにする。

邪魔なパンティなど履いてない。恐らくブラもつけてないのだろう。

頬を赤くし、誘うような目で僕を見る。

僕は我を忘れ、服を乱暴に脱ぎ捨てた!

素っ裸でベッドに飛び乗ると、ビンビンの肉棒を、ミルバの女性器に押し当てる!

先端を支配する、しっとりと濡れた柔らかい感覚。

僕のほしい愛が、いま手のとどくところにあるのだ。

ピンクの割れ目は、挿入を待ちわびて淫らにも唾液を流している。

僕は誘惑に耐え切れず、ゆっくりと優しくペニスを入れる。

ずにゅっ!

「あうっ!?」

「うふ。何度食べても美味しいわね。」

ミルバは、ブルマをずらしていた右手を離した。

「これは、お食事のエッチだから、容赦しない。覚悟してね。」

自信と余裕に溢れた表情で、そう言う。

早くミルバの胎内に射精したくて、僕は腰を動かし始めた。

充分な潤滑液のため、腰の突きは自然と速くなる。

「一滴残らず、お腹に出すからね・・」

興奮する。

僕、可愛い淫魔の子に、すべての精を捧げようとしてるんだ・・

ミルバは両足を僕の腰に回し、僕の両肩を手で押さえた。

彼女は、腹筋を活かして、上半身を僕に密着させる。

僕は両手をベッドについて、つっぱった。

ミルバが僕の上半身に絡みつき、精を搾り尽くす・・

興奮しすぎて、気が触れそうなシチュエーションだ!

「ううーん。いいわ。可愛い人。私も君が欲しいかも・・」

「むさぼってください、僕の身体・・」

体操服ごしに、彼女の乳首や乳房の柔らかい感触を感じる。

僕の胸は幸福でいっぱい。

「ああっ・・・前の身体よりいいなあ・・くう・・幸せ・・」

「今夜は、お持ち帰りするつもりなの。」

「僕を?」

「えへっ・・一緒にいたいのよ。また一人になるの嫌なの。お願い。いいでしょ。」

僕の肉棒は、膣の中に押し込まれて2分も経っていない。

しかし、快楽の濁流は、すでに棒の根っこで激しくうねっていた。

「はぁっ、はぁっ・・」

パンパン、ずこずこ。

腰が一生懸命に働く。

「あ〜ら、もうイきたいの?この姿可愛いし、身体も気持ちいいから、我慢できないんでしょ?いいよ、イって。何回もイかせて、よくしてあげるからね。」

「ああっ、はい・・・・」

「ふふ、もっとよくしてあげる。ほら、ほらっ。」

くいっ、くいっと彼女が腰を2、3度前後させる。

「早くきもちよくなって。白いの出して、私のこと、もっと好きになって。」

膣壁の収縮と、もこもこした突起のすりあげの心地よさで、僕の鈴口はあっさり水門を開け放った。

射精の寸前、本能的に彼女の子宮口に鈴口を擦り付けた。

ドクゥッ!!ドビュウウウ・・!!

愛欲の奔流が、ミルバの子宮に一気に流れ込む。

子宮内を汚す多量の精子。

「あ〜ん、お腹に出しちゃったね♪」

「ああああ、好きだ!!ミルバ・・!!」

「あはん、すぐ情に流されるんだから。」

「でも、好きなんだよぉ・・」

「その気持ちが枯れはてるまで、相手してあげるわね。」

「好きだよ、愛してるよぉ・・」

「もう。いわなくても分かるわよ。」

僕はまた、腰を振り始める。

ギシギシ。ベッドがきしむ。

淫魔の膣は、人間のそれに比べて桁違いに効率よく精子を搾り取る。

人間の男は、挿入後に与えられるあまりに強い射精欲求に耐えられず、淫魔の胎内へ射精する。

しかし、精を搾り取られる際の快楽も強いため、性交をやめることができず、再度射精欲求に駆られてしまう。

この欲求はピストン運動を誘発し、さらに射精欲求が増幅される。

こうして人間の男は、淫魔の胎内へ射精を繰り返す。

動物的に前後する僕のペニスを、ミルバの膣が優しく丹念に擦りあげる。

べっとりと愛液に濡れた膣壁は、その表面の無数の肉の突起を膨らませ、しぼませる。

突起自体は移動しないものの、これらが交互に膨張・収縮を繰り返すことで、ペニスをさすり、くすぐり、しごきあげるような快楽を与える。

先っちょからねっこまで。

僕はもっとこの膣を感じたくて、より深くへペニスを押し込む。

「やぁん・・」

ミルバが甘い声を出して、僕の背中を両手で激しく愛撫する。

「そんなに、私をママにしたいの?」

「ハァハァ、ち、ちが・・ぜぇぜぇ・・」

「こぉんなに深く結合しちゃって。」

「ミルバ、好きだ・・愛してる・・ぜぇぜぇ・・」

「もっと違うこといったらどうなの?聞き飽きたよ?」

そう言って彼女は、腰を使って、肉棒に子宮を激しく突かせてくる。

「ほぉら。子宮の入り口に、亀さんがぶつかってるのが、分かるでしょ?」

「あぅっ、ひぃっ、すきぃ・・」

「あなたのカメさんが、赤ちゃん作るところ、つついてるのよ。ねぇ、たまらないでしょ?」

ミルバは僕を抱く力を強めた。

「君は、ぼくだけのものなんだ・・」

「ふふ、私とのエッチ、楽しいでしょ?これからまた、一緒に暮らそうね。」

「は、はい、奴隷でもなんでもいいから、一緒に暮らしたい・・!」

ミルバの腰はより激しく動く。

紺色のブルマーに包まれた、肉付きのよい魅力的な腰。

その中には、耐えがたいほどの誘惑を秘めた膣や、二人の愛に形を与える子宮が収められているのだ。

彼女は顔を紅潮させつつも、余裕たっぷりの表情で僕を見上げている。

美しい・・

目も鼻も口元も・・

黒く流れるように乱れた髪の毛も、赤いリボンも・・

「はあはぁ、け、結婚・・して・・ほしい・・」

「やだよーだ。どうせ、私の体めあてなんでしょ?」

「がはあっ、あ、あ、もうだめ・・いくぅ・・け、結婚・・して・・!!」

幸せのもやもやした塊が、ペニスの根っこに湧き上がったかと思うと、それは一瞬でカリ首まで達し、外界に放たれた。

真っ白な粘液は、ミルバの子宮口から子宮内部へと流れ込む。

「うふ☆もう、すきねぇ。まーた赤ちゃん製造器のなかに発射しちゃったの?」

「ぜぇぜぇ・・はぁはぁ・・」

肉棒がさらなる射精を求めている。

もう僕は、完全に肉棒、いや、欲望のとりこだ。

いっぱい射精するだけじゃなくて、彼女を孕ませ、結婚してしまいたい。

他のことなんて、どうでもいい!

また僕は腰を振り始める。

ずこずこ、ずこずこ・・

「おやおや、すっかりほれ込んじゃったみたいね。」

「あなたは、僕の理想のひと・・誰にも渡さない、僕だけの、もの・・」

「私と、永遠に結ばれたい?」

「はい・・」

「ふふふ、甘い愛の誘惑に負けてはだめ。あなたが今愛してるのは、この世界を支配しようとしている悪魔なのよ・・思い出して・・」

そう、ミルバは淫魔。淫魔は、敵・・そんなの分かりきってるよ!

でもこの体は気持ちいい、やめられないよぉ。

ミルバがわざわざ水をさしたことで、僕の興奮は一層煽り立てられる!

僕の腰の動きが速くなる!

と、射精が近いことを察したミルバが、腰振りのペースをあげてくる。

「とっても可愛いわよ。私のお腹にたくさん出して・・」

互いの腰が激しくぶつかり合い、部屋がいやらしい粘液の音でいっぱいになる。

鈴口と子宮口のキスが無数に繰り返される。

「く、くはぁ・・ミルバ・・!!またいくぅぅ。」

「いらっしゃい、私の可愛いペットさん・・」

「おおおおお!!」

びゅく!!どびゅううう!!ベヴッ、ドクッ、ピュ、ピュッ。

スケベな白濁液が、またしても、鈴口から子宮内へ入り込む。

「あん。また、愛されちゃった。」

胎内は、三度にわたる胎内射精で、精子が充満していた。

いもしない卵子を探す精虫たち。

しばらく泳ぎ回った後、卵子を見つけることができず、彼らは次々と死んでいくに違いない。

「はぁはぁ、ぜぇぜぇ・・」

困ったことに、彼女の膣の中で、僕のモノはビンビンになっている。

三度もたっぷりと出したのに、まだまだどころか、ますます硬くなっている。

僕が再び腰を振ろうとしたそのとき。

僕の腰にひっついていた、彼女の白い太ももが離れる。

ぬぽ。

「んふ。」

ミルバは紺色のお尻がひいて、楽園から僕の肉棒を追放した。

「あうあう、もっとお・・」

『おあずけ』に耐えられず、情けない声をだす僕。

僕は肉棒を左手にとり、右手でブルマの端をつかむ。

ずり、とブルマをずらすと、再び濡れきった肉の花弁が姿を現す。

「そんなに、私のお腹で射精したいの?」

「はいぃぃ・・」

「私のおまん○使ってイキたいんだ?」

「はぃぃ・・」

「せっかく美沙緒に瘴気を抜いてもらったのにね。また、いっぱい吸い込んじゃって。」

「ぁぁぁ・・」

「あなたはまた、人間の女に感じない身体になっていくの・・」

「そ、そんなこといって・・・前回はミサにイかされたぞ・・」

「あん!あれは、予想外だったのよ・・あんな女のこといいから、早くいれてよぉ。」

「そんなこというなら抜くなよう・・」

「エヘ。おちん○んがどんな様子か、見たかったのよ。」

「いぢわるぅ・・」

僕は腫れ上がったペニスの先を、彼女の入り口に押し当てる。

「あう、はぁ・・ミルバ様の体、おいしいなぁ。ゲヘへ、もっともっと・・」

「溺れなさい、好きなだけ。」

僕は淫魔に返事もせず、肉棒を甘い愛の楽園へと押し込んだ。

ぐぐぐ・・

奥へ奥へと挿入する。

ねっとりとした膣壁が、突起を使ってすりあげてくる。

「どお。こんなことされたら、いいなりになっちゃうよね。」

「はぁぁ・・」

頭が真っ白になり、思わずため息が漏れる。

「幸せ?」

「うん。」

僕は両手でミルバの頬を押さえ、無理矢理キスする。

そして、腰を揺らし始める。

舌を絡めつつ、甘い喘ぎをもらすのは僕ばかり。

ミルバは、頬は赤くしているものの、乱れる様子はない。

腰で突いて、さらに、彼女の弱点である子宮に精を放っているのに。

僕は舌を引き抜く。

「キミは、気持ちよくないの?僕のじゃ、感じないみたいだけど・・」

「今回は、感度をさげてあるの。自分の身体の感度、自由に変えられるのよ。」

そうか、どうりで僕ばかりイかされてるわけだ。

「人間と同じ感度にすると、すぐ相手に溺れてしまうわ。この間のことでよく分かったの。」

「いいじゃないか。心も身体も僕と一つになろうよ。」

「もう。私を誘惑するつもり?誘惑されるのは、人間であるあなたでしょ?」

僕は彼女の肩につかまり、腰の動きをはやめる。

精のほとばしりが、着実に近づく。

この淫魔の膣の中で、僕は我慢することができない。

欲望に負けて挿入し、膣壁にすり上げられれば、ときをおかずに射精したくなる。

この射精欲求に、僕は全く逆らえないのだ。

「んくぅ、うはぁあ・・」

僕はミルバの頬にチュ、チュとキスをあびせた。

「また、イきたいのね。」

ミルバの肉感的な腕が、僕をより強く抱きしめ、おっぱいと僕の胸板が吸い付く。

「く、くぅ・・」

イくことしか考えられない!

僕は激しく腰をふる!

びくッ!!

僕は、再び、ミルバの胎内に白い濁流を放つ。

ビュ!!ビューーーッ!!!ビュ、ビュ・・ピュッ。

「ぁぁぁ、あああぁ、はぁ、はぁ、はあ・・ミ、ミルバぁ・・」

「ああん。暖かいのが、またお腹に流れ込んできてるわ。」

「好き、好き、好き・・」

ミルバは僕の上半身を支えながら、ゆっくりとベッドに身を横たえる。

僕は、己の体とベットでミルバをサンドイッチにし、いちゃつくにはちょうどいい体勢。

しかし、精力が尽きた。

「うふふふっ。幸せそうな顔しちゃって。もう可愛いんだから。」

「ぜぇぜぇ、はぁはぁ。ミルバさまぁ・・」

「でも、こんな童貞のセックスじゃ、淫魔を満足させられないぞ?」

エネルギーの消耗が激しく、首で頭を支えきれない。

僕の頭部は鼻先から枕に落下する。

どさ。

「はーはー・・・」

ミルバは、僕の頬をペロペロと舐めた。

ねちっこく、丁寧に舐めてくる。

まるで、僕の肌に淫らな愛をたっぷりと染み込ませてくるように。

「くすっ、ほんと可愛いわね。好きよ、ヒデマロさん。」

「僕も・・」

「敵同士だなんて、もうやめましょう。互いにこんなに求め合ってるのよ。」

「ああ、はぁぁ、好きです、ミルバ様・・」

「私たち淫魔と、あなたたち人間は、こうやって幸せに、一緒に暮らしていけるの。」

「うん・・」

「争うなんて、愚かなことなのよ。一緒になればこんなに幸せになれるのだから、争う理由なんて、何もないの。人間は淫魔に支配されたほうが幸せになれる。分かるでしょ?だ、か、ら、一緒に・・」

ガタッ。

僕の後ろで音がして、僕は我にかえる。

「あっ・・」

と、女の声がした。

「あんっ、もう!イイところだったのに、邪魔しないでよね!」

僕の耳元で、ミルバが不機嫌そうに鼻を鳴らす。

「ごめんなさい、まさかお客さんがいたなんて・・」

寝返りしようにも、ペニスはまだ勃起したまま膣内にあるし、消耗して力が入らない。

ミルバの上で、僕はマグロ状態。

枕に顔を押し付けたままになっている。

「ねぇ、ヒデマロさん。あなたに紹介したい子がいるの。」

「・・・・ぁ・・・・」

体操服美少女の胎内に射精しすぎて、再起不能の僕。

そのあまりに力ない返事は、ミルバともう一人の子の失笑を誘った。



1時間近く後。

僕は、2人の少女に囲まれてお茶を飲んでいた。

最初この部屋に入ったときは、保健室にそっくりに見えたが、それはミルバの幻術のせいだった。

コトが終わった今となっては、部屋は本来の簡素な姿に戻っている。

木製のテーブル、椅子、ダブルベッド、洋服タンス。さほど古いものではない。

この部屋の奥にはドアがあって、トイレや風呂、寝室(シングルベッドと鏡台のある狭い部屋)などがあった。

ここは、男を閉じ込めて陵辱しつくし、操り人形にするための部屋だ。

一通り、生活に必要なものはそろっている。

ミルバが紹介してくれた子、ミルクの話は、血も凍るような内容だった。

孤児院に引き取られ、小さい子供たちの面倒を見ていた彼女のところに、ある日、覆面の女たちがやってきた。

女たちは、ミルクを「お城で楽器を弾く仕事がある」と誘い孤児院から連れ出す。

しかし、ミルクが連れてこられたのは、この地下室。

男を肉奴隷にするための性技を丸一年間徹底的に仕込まれる。

2日前、王妃の前に連れ出された。

王妃の命令は、王都に戻った僕を陵辱し、操り人形にすること。

悪魔に勝った後の世、勇者である僕の威光を利用して、影響力を強める気なのだ。

「騎士や貴族、有力な商人の息子たちは、皆、ここにつれてこられ、調教を受けるのです。そして王妃様のいいなりになるの。そうやって、世界を裏から操る。それがこの国代々のやり方。」

フリルのついた白いドレスを着たミルクは、静かに言った。

ミルクは、服装以外、ミルバにそっくりだ。

いや、ミルバが完璧なまでにミルクに化けていたのだ。

この部屋に入って、僕が一目惚れした少女の姿。

それは、ミルバが考えだした姿ではなく、ミルク本人の姿だった。

もし僕が抱いたのが、ミルバでなく、ミルクであったなら、王妃の望む結果となっていただろう。

ミルバは、ミルクと出会った直後、彼女を操り人形にしていた『服従の腕輪』を破壊していた。

王妃や他の人間に、もう絶対的な服従を強いられることはない。

「私がここに来たとき、ミルクちゃんはナイフを持って襲い掛かってきたのよ。」

「信じられないな。」

「勇者様。魔法の力は、恐ろしいのですよ。私の姿も、魔法と、『ティーナの愛液』という秘宝でだいぶ変えられてしまいました。」

「そんなに酷い目に遭わされたんじゃ、人も信用できなくなっちゃうね・・」

僕はミルクを見た。

「私は、ミルバ様を信じます。命の恩人ですから。」

「あはっ。命の恩人だって。」

おどけてみせるミルバ。

「ミルバ様と話していると、心が安らぎます。とても、我々の敵とは思えません。」

と、ミルク。

やっぱこいつ、カリスマあるのかな。

お嬢様口調をやめてから、ますますいい子になったような気がする。

可愛い。

「ミルクちゃん、これからどうするんだ。」

「私は、ミルバ様についていきます。この国は危なくて、残る気がしません。ミルバ様も、私を連れて行ってくれるって、言ってましたよね。」

「ええ。ヒデマロさんと一緒に、お持ち帰りするつもりよ。」

「ふう、僕もお持ち帰りかぁ。ミサに一言いっておけばよかったなあ。」

「後から伝書鳩でも飛ばせばいいじゃない。私が手紙代筆してあげてもいいわよ?『ミルバ様と結婚して子供5人できました。ミサちゃんさようなら』なーんてね。あはっ、子供作ったことを教えてあげるのが、すごくイイわよね。我ながら名文だわ。」

「なんだよそれ・・」

「あなたこそ何よ。今から淫魔に誘拐されちゃうところなのよ?緊張感なさすぎよ?」

また、叱られた。



日は沈み、王都の人々は夕食の支度を始めていた。

「いない・・」

美沙緒は、ひとり、つぶやく。

彼女が昼食から戻ってみると、秀麿の姿はなかった。

不安に駆られた3人は城、そして街中、手分けして探しまわった。

しかし、彼は見つからなかった。

「ああ・・もう・・」

美沙緒はクタクタに疲れていた。

「いない、いないよぉ・・」

集合場所に決めた街の広場に、とぼとぼと戻る。

萌と春香が美沙緒を待っていた。

「だめ。どこにもいない。」

「やはり、あの女性が曲者だったんですわ。」

「仕方ない。とりあえず、王様に報告しにいこう。」

萌の提案に同意する2人。

3人は城へ向かった。

ただちに謁見を許可され、謁見の間へ招かれる。

さほど待たず、王と王妃が現れ玉座についた。

「急な用事と聞いているが、さて、どのような話であろうか?」

60歳を過ぎた白髪の紳士は、穏やかな口調で問う。

「実は、本日昼より秀麿殿の姿が見えなくなってしまったのです。」

と、萌。

「なんと・・!」

「街中を探したのですが、見つけることができませんでした。」

王はうつむいて、目を閉じた。

「また、淫魔にとらわれたのではないでしょうか。」

王妃の口調には、いつものようでなく、皮肉が篭っている。

「それは分かりませんが。何者かに誘拐された可能性は高いかと。」

萌は言葉をにごらせる。

「淫魔は情が深いといいます。先日勇者どのを捕らえた者が、また、・・情を抑えきれずに現れたのではないかと思います。」

「お言葉ですが、ティファーナ様。勇者様は淫魔と交わっておりません。」

美沙緒が切り出す。

「それは、あなたがそう信じているだけのこと。どうせ、淫魔と交わったに決まっています。もはや、勇者どのは使い物になりません。」

「我が王妃よ、いかがしたか。今宵は口が過ぎるぞ。」

「私とて人の子、面白くないときもございます。」

王妃はいよいよふて腐れた表情になる。

「淫魔にたぶらかされる勇者など、もういらぬ。」

そういい捨てて、そっぽを向く王妃ティファーナ。

いつもの優しい笑みはない。

「美沙緒どの。勇者どのが行方しれずとなっては、『電光の杖』と『夜めがね』のみが、この世界を救う希望となるな。」

そう言う王の顔色は、明るくない。

「調達を急がせております。もう4週間お時間を頂きたく存じます。」

と、萌。

「そうそう。その道具こそ、我々の道を切り拓くものです。急ぐのですよ。」

王妃はちらりと美沙緒を見る。

「電光の杖としましては、我々の世界で『からしにこふ』と呼ばれる種類を選び、すでに80丁集まりました。まだ充分な数とは言えないため、今しばらくお時間を頂きたいのです。悪魔の目くらましが効かなくなる『夜めがね』のほうは、すでに充分な数がございます。」

美沙緒は、答えた。

「結局、勇者どのは、これらの道具が集まるまでの時間かせぎに過ぎなかったということ。今更いなくなっても、慌てることなどありません。我々で時間かせぎをすればよいだけなのですから。」

沈んだ空気の謁見の間に、ヒステリックな王妃の笑いが響いた。



「私たちの食事は1日3食。人間と同じよ。それからお風呂に入った後は、お楽しみの時間。」

「ってことは、少なくとも4回はデきるんだな?」

「作戦会議とか、仕事のない日なら1日中相手してあげるわ。あなたのほうが持たないと思うけどね。」

「持ちこたえてみせる。」

僕とミルバは笑った。

僕は、『お持ち帰り』されてしまい、2時間前にこの淫魔の巣に連れてこられた。

ミルクは、この広大な地下住居を見学しにいっている。

僕とミルバは残って、彼女の部屋で話し込んでいた。

ミルバは、体操着を着たミルクの姿のまま。

僕たちは、ベットの枕元で、並んで座っていた。

地下住居は、天然の洞窟に、ぶよぶよした肉塊を敷き詰めて作ったものだ。

当然ミルバの部屋の床や壁、天井にも、この肉塊がこびりついている。

この肉塊は生暖かくて、呼吸するようにヒクヒク動く。

気持ち悪いかわり、裸足であるいたり、壁にぶつかっても、痛くない。

「ここにいる男は二種類。奴隷か、誰かの夫か。」

「僕は?」

「・・・私の個人的なペットよ。」

それ、すげえ微妙な回答だな・・

「君に媚びてれば、そのうち旦那にしてもらえるの?」

「うーん、どうかしらね♪」

「なんだよ。初めてあったときは、すぐ結婚の儀式してくれるような雰囲気だったのに。」

「しっかり覚えてるのね。嘘に決まってるでしょ。」

「おいおい・・今更嘘なのかよ・・」

僕はミルバに向き合うように身体をずらして、体育座りする彼女ににじり寄る。

僕は素っ裸。

ミルクが出て行った後、すぐ服を脱いだ。

「あ〜、カメさん大きくなってる〜」

「ミルバ様ぁ、僕と結婚してくださいよぉ。」

「いやよ。身体ばっかり求める人なんて。」

「ミルバ様ぁ。挿入したいよぉ。」

「もう、仕方ないなあ・・はーい、どうぞ。ご自由に♪」

彼女は体育座りを解き、股を開くとブルマをずらし性器を堂々と見せる。

王都の地下で体験したシチュエーションにも関わらず、僕は大興奮。

彼女の太ももと腰の、あまりに肉感的な様子、ミルクの扇情的な顔立ち、そして体操服という萌えコスチューム。この三点セット。

これが、僕の性欲を滅茶苦茶にかきたてるのだ!

「お客さん、どんなに気持ちよくても、中で出しちゃ、だめですからね〜。」

「はぁーい。」

いったい彼女は、こんな台詞をどこで覚えたんだろう。そしてこの体操服。

なぜ彼女は、体操服などという禁断のアイテムを知っているのだ・・

そんなことはともかく。

「ミルバさん、入れるよ。」

べとべとな二枚の花びら。

この人と、子供を作りたい・・

僕は右手で、ギンギンになった肉棒を膣の入り口にあてがう。

何回も何回も同じことを。僕は何してるんだろう。

「はーい、一名様ごあんなーい。」

にゅぷぅっ。

僕が待ち望んだ快楽。

甘い膣壁の圧迫感と、すりあげ。

「うくっ。」

「気持ちいいでしょ。何回もシたくなっちゃうのよ。それで、そのうち、赤ちゃんができるの。」

ミルバは魅力的すぎる太ももを僕の腰に巻きつけて、両手で僕の胴にしがみつく。

彼女は、不自由な体勢にも関わらず、積極的に腰を揺する。

「ほらほら〜お腹にいっぱい出したいでしょ?」

「あう、あう、ひっ・・」

「ねー、もっと腰振って♪」

ギュ―ッ、ギュ―ッと膣が締め上げ、さらに腰の動きと膣壁の突起が射精を促す。

もう堪らない。自分で腰を動かすことも忘れ、その快楽に身を委ねる。

一瞬我を忘れる。

気が付くと、ミルバが僕にディープキスしている。

舌を絡めあう心地よさの溺れる間もなく、じわっと股間に弾ける愛の予感。

しまった!

ビュクゥッ!!ビュー―ーーッ!!ドクゥッ!!

ミルバは慌てて口を離す。

「ああん!・・お客さぁん。中にいっぱい出しちゃったね・・。」

イったばかりなのに、ミルバは腰の動きをより速くする。

ズンズン、ズンズン☆

ズッコン、ズッコン☆

更に激しく搾りとるつもりだ!

「はぁん、お客さぁん、全部出してよぉ。。」

「あひぃ、あひぃっ。」

彼女の膣の中でいいようにしゃぶられ、僕の息子はまた、精子を吐き出してしまいそうだ。

僕も夢中になって腰を振る。

「あぁっ・・」

「楽しみたければ、すぐ出さない。我慢してから出すのよ。」

「無理だよこんなの・・できるわけないよぉ。」

「すぐイく男は、嫌われちゃうぞ?ほらほら・・」

一際強く膣が締まると、ミルバの両手が僕の頬をとらえた。

「はぁいいっ、ぅぅ・・ぇぐ・・」

「いっぱい愛して。私をママにしちゃうくらいに。」

僕の愚息の先から、また、愛のシロップが噴き出した。



淫魔の巣につれてこられて6日目の昼。

ミルバは卵を産んだ。

初産だった。

卵から現れたのは淫魔の女の子。

名前は、ミナ。僕とミルバで決めた。

名前を決めた日の夜。僕は結婚を申し出た。

のらりくらりとはぐらかされ、断られた。

悲しくて、翌日から寝る間を惜しんでミルバと交わった。

とはいえ、ミルバは結構忙しく、朝から夕方まで、ほとんど部屋を離れている。

食事と休息で部屋に戻る以外は、原則部屋の外にでていた。

それだけに、行為ができるときは、嬉しくて没頭する。

行為に没頭するあまり、子供がもう一人産まれてしまった。

もちろん女の子。

僕の愛しい人は、女の子しか産まないのだ。

2週間が過ぎた。

愛しい人の身体に溺れる日は続く。

ミルバは、食事のエッチ、愛のエッチ、遊びのエッチをそれぞれ巧みに使い分け、僕をどんどん惹きつける。

身体に溺れれば溺れるほど、2人の距離がひらくような感覚。

不意にそんな感覚に襲われることがあった。

こんな日は、ミルバに子宮に撃ちこむ精の量も増え、セックスも激しく、また長い。

そう、この切ない気持ちすら、ミルバが己の食欲を満たすため、僕に仕掛けた罠。

日々の暮らしの中には、そんな罠が無数にあった。



ミルバには、数多くの姉と妹がいた。

魔術に優れた者もいれば、武術に優れた者もいる。

その中にあって、ミルバは、総司令としての役割を与えられていた。

淫魔は、術魔や暴魔よりも上位の悪魔だ。

ミルバは、数々の下級淫魔と上級淫魔(ミルバの姉や妹)を統括していたから、事実上、彼女がオターランド侵攻軍団の総大将ということになる。

数多くの娘たちの中から、ミルバの母親が、彼女を総大将に抜擢した理由は定かではない。

しかし、姉たちですら素直に彼女に従う様子から察するに、皆の認める何かを持っているということなのだろう。

奇策の才?

軍略?

統率力?

案外、もっと人間的なものかもしれない。

寛容さとか、優しさとか、包容力。



ある日、僕は、ミルバたちがこのオターランドに攻め込んできた理由を教えてもらった。

簡単にいえば、オターランドの人間をすべて家畜または戦力とし、悪魔の軍勢に編入するため、彼女たちは侵攻してきたのだ。

悪魔たちは、現在天使たち(ミルバも見たことがないため、どんな姿なのか分からない。)と戦争状態にある。

遠い昔から、両者は度々衝突を繰り返してきたが、また、戦争が始まったのだ。

天使も悪魔も、互いに様々な世界を征服し、勢力を競っている。

天使に征服された世界では悪魔は悪者になり、悪魔に征服された世界では天使が悪者になる。

そのように、被征服民は教育されるのだ。

悪魔たちは、今、防戦の一方。

食料や兵力、様々な必需品が欠乏している。

その穴埋めをするために、各世界の征服を少しづつ進めることになった。

淫魔は特に、次々と子孫を増やせるため、征服地を食い尽くすように繁殖し、増えるだけ増えたら、最前線に移動して戦力となる。

また、人間から精をしゃぶりつくす形でエネルギーを収集できる。

これは、強力な魔法を使う他の種族から重宝される能力だそうだ。

僕がこうやってミルバと遊んでいる間、悪魔の軍勢は次々と人間を襲い、支配区域を広げている。

仕方がないことだ。



ミルバを慕ってついてきた少女ミルクは、以前の調教体験のせいで、身体が疼くことが多々あった。

我慢できない日は、ミルバと2人で僕を襲ったり、ミルバに憑依してもらって僕を犯したりした。

相手が人間でも、淫魔の瘴気を吸えば僕は射精できた。

だから淫魔が一人、その場に居合わせれば、ミルクは僕を勃たせて性玩具にできたのだ。

但し彼女の場合、僕とのエッチは性処理か気晴らしぐらいの意味しかなかったようだ。

彼女に好きだ言われたことは、一度もない。

言う気がなかったのか、言えなかったのかは分からない。



僕の呼吸は、ますます深くなった。

「はぁぁっ、はぁぁぁっ・・く、くぅっ!!」

「あは。いつ見てもいい表情ね。イっていいよ?」

下になっているミルバは、両手で僕の頭にあてて、自分の口元に引き寄せる。

むちゅっ♪

僕とミルバの唇が互いに吸いあい、激しく舌がからむ。

「ぬぐぅ!!!!」

一瞬全身に痺れが走ったと思うと、それは下っ腹から男根へと抜けていく。

痺れは快楽に変わり、男根から精子として放出された。

ドビュウッ!!

「ああん♪すくなーい!」

「はぁ、はぁ、ひぃ、ひぃ・・」

ガク。

僕の頭は、ミルバの顔の横に落下した。

柔らかい枕が、僕の鼻先を受け止めてくれる。

情けないが、毎日こんなパターンだ。

「少ないのを無理矢理搾り取るのが楽しいのよ。いぢめてるみたいでね・・」

彼女は、息を切らせる僕の背中を撫でる。

「すきよ。」

と、突然、何気なく言うミルバ。

その言葉を聞けるだけで、僕は死んでもいい気がする。

「お母様に何度も交渉してるんだけど、なかなか認めてもられないのよ。簡単にイくうちは、結婚しちゃだめだって。」

僕だって、一応我慢してるよ〜。

そんな反論も、疲労のため言葉にできない。

「いかせっこで、あなたが勝ったら、お母様も結婚を認めてくれるかもね。」

まぁ、まず僕じゃ勝てないだろうけどね・・

「お母様の前で、私たちイかせっこするってのはどう?そうすれば、結婚の儀式も許してもらえるんじゃないかしら。当然、真剣勝負であなたが勝たなきゃいけないけど。練習が必要になるわよね?」

「・・・・ぁぁ・・・」

「あっ、そーだわ。これから毎日、イかせっこの練習しましょ♪」

「また・・子供・・・できるよぉ・・」

「気にしない、気にしない。いいじゃない、家族は多いほうが。えへっ。」

翌日の夜。

案の定、イかせっこの訓練が始まった。

ラブラブなエッチで、8発ほどミルバに胎内射精した後。

魔法で眠らされた僕は、ミルバが創り出した夢の中にいた。

現実で激しい訓練をすれば、僕の肉体が消耗するため、疲労の少ない夢の中で、イかせっこ訓練をするのだ。

淫魔にかかれば、人間にいやらしい夢を見せるなど、朝飯前だ。

夢。僕は、暗い城の広間を歩いていた。

夜なのか、地下なのか、壁にかかるたいまつだけが、光を放っている。

延々と続く二本の大きな柱の間を、進んでいる。

気づけば、全裸だ。靴も履いてない。

「はぁーい、お待たせ!」

後ろから聞きなれた甘い声。

僕は振り返る。

すぐ目の前に、ミルバがいた。

彼女は、柱に寄りかかって腕を組んでいる。

たいまつが、黒いハイレグの水着を照らしている。

V字の部分が鋭すぎて、恥丘が少し露出している。

水着はちょっとキツメなのか、彼女のむちむちした体を、ますます魅惑的に演出していた。

僕にウィンクする彼女。

「ねぇ、私とイイことしましょう?」

僕は淫魔に引き寄せられて、ふらふらと数歩踏み出し、彼女を抱く。

ふわっと絡みつく、彼女の天酸っぱい香り。

水着ごしに確かめる、彼女の体のふくよかさ。

「膣の中でいーっぱい、出したい?」

「うん。」

「おま○こに入れて、ずっこんずっこんしたい?」

「うん。」

「8回も出したじゃない。まだヤりたりないの?」

「いくらやっても、ヤりたいよ。だって君が、好きなんだもん。」

「本当に私のコト好きなら、どんな誘惑にでも勝てるわよね。」

「えっ・・」

「精子出すの、しっかり我慢するのよ。私をイかせれば、それだけで結婚できるかもしれないのよ。結婚したいでしょ?」

「したいよ、そりゃ・・」

「あなたがもたもたしてると、私、他の男とくっついちゃうかもしれないわよ?」

「そんなの、だめぇ・・」

「でしょ?じゃあ、頑張ってイかせっこに勝つしかないわよね。」

「う、うん。」

「うふ、早速、愛の指導を始めてあげる。ふふふ、待ちきれなくてこんなにビンビンになって・・」

彼女は、いきり立って天をさす僕のモノを右手にとる。

カリ首を握って、人指指で鈴口をポンと叩く。

ポン、ポン。ポン、ポン。

「う、くうっ・・」

「好きな人、憧れの人が相手だと、感度も高くなっちゃうのよね・・」

右手の締めが強くなり、恐れていた前後運動が始まる。

「あ、いや!だめ!」

シュシュシュ・・シュッ!シュッ!シュッ!

さすがは淫魔、5回シコったかどうかというところで、ペニスの先が気持ちよくなってきた。

「ぐぇぁ、ひぎぅ、いくっ!!」

「えーっ?もお?」

ぴたりと、肉棒への責めがやむ。

「はぁはぁ、危なかった・・」

「危ないもなにも、エッチな汁、いっぱい漏れてるぞ?」

見ると、肉棒の先から、結構な量の透明な粘液が溢れている。

「たったこれだけでこんなになって。私に溺れすぎよ?心も身体も感じすぎ。」

「ごめんなさい、ミルバ様。」

僕は彼女の両肩に手をかける。

「罰として、今から挿入の刑に処します。私より先にイったら、一生肉奴隷として私に奉仕するのよ。」

「はーい♪」

「こら、喜ばないの。・・もう、立ったままで入れるわよ。本当にあなたって・・まあ、しょうがないね。惚れ込んでるんだもんね。私に。」

「はい・・」

ミルバは右手を僕のペニスをあて、左手で水着の股の部分をずらす。

サーモンピンクの見事なお○んこ。

僕は自分から進み出て、カリ首を花弁におしあて、一気に膣内へ挿入した。

ああ、軽く百回以上、似たようなシチュエーションを経験したのに、なんでこんなにも興奮するだろう。

思い切り彼女を抱く。黒い水着の感触が堪らなく魅惑的だ。

「あああん♪」

「あうっ♪ミルバさま〜!」

どうも2人とも、先ほど現実世界で行われたラブラブなエッチの余韻が残っているようだ。

「ミルバ様、ミルバ様!!」

僕はとりつかれたように腰を激しく振る。

ミルバのお腹の中で、特に気持ちがいいのは、子宮口の直前。

肉突起の密度が高く、ここに何度かカリ首をこすりつけるようにすると、すぐ射精することができる。

奥深くまで挿入しているため、ちょっと動かすだけで、棹全体も責められ最高の快楽を貪ることができるのだ。

その快楽を味わった者は、代償として、相手の腹に生命を宿させてしまう。

僕はこの快楽を味わうため、奥まで突くと、深いところで数回前後する。

「あっ?やん・・あはっ。そこ、エッチな愛が育っちゃうわ。」

「あはぁう、いくぅ、ああああ、いくよーーーー!」

「あん!!あなた!!だめ!!がまんし・・」

ミルバが僕を諌める前に、僕は達した。

ビュクッ!!ドクン!ビュクッ!!

子宮壁にぶっかけられる白塊。

「やぁん!」

ミルバは精を腹に受け、もだえる。

膣がキュッ、キュッとしまり、さらに僕を誘惑する。

僕は真っ白な頭になりつつ、腰ふりを続けた。

精を吐き出しているペニスを、なおも、彼女の膣にこすりつける。

僕は必死に腰を振る。

彼女が意図する以上に、この甘い身体は僕を狂わせる。

比喩ではない。文字どおり、僕を狂わせているのだ。

ぼはっと湧き上がる射精感。

一瞬びくりとして、再度、僕は胎内射精する。

ビューーー!!

ミルバは僕と柱の間でサンドイッチになっている。

僕は舌で彼女の首筋を責め、欲望のまま、水着の上からおっぱいを揉んでいる。

相変わらずのもみごたえ。

大きくて、暖かくて、柔らかい。

生でじゃなくて、水着の上からというのが、僕は堪らない。

もう意識があってないようなもの。

気持ちよすぎて、手も腰も、制御できない。

快楽を求めるまま、それぞれ勝手に動いている。

「あひっ、あうぅ、ごめんなさい、ごめんなさいミルバ様・・訓練できなくて・・」

「あきれちゃうわ・・」

「だめなんですぅ、僕、体、おかしいの・・」

「あなたみたいな子、いやよ。」

ずん!ずん!ずん!ずん!

「ごめんなさい、ごめんなさい!僕のこと、嫌いにならないで!」

ずんずんずんずん!ずんずんずん!

愛して欲しくて、狂ったように腰で突く!

「あはっ♪あなたって最低の早漏男ね。嫌いになるかも・・」

「そんな、そんな、僕はこんなに好きなのに・・」

ずんずんずんずん!ずんずんずん!

射精が近くなり、一気にピストン運動を速めた。

「くぅん・・はぁん・・」

ミルバが甘い声をあげた。

「ミルバ様ぁ。好きですぅ。」

「もう、永遠に付き添ってくれなきゃ、いやだからね・・さぁ、おいで。」

「は、はい・・」

ビュクゥッ!!ビュルル!!ドビューー!!

「あんっ!?・・あなたったら、もお、お腹にばっかりかけて。」

僕とミルバは、お互い背中に手を回し、立ったまま、強く抱き合っている。

ずん・・ずん・・ずん、ずん・・ずん。

「体から火がでてしまいそう。あなたを誰にも渡さない・・永遠に・・」

「ミルバ様ぁ。」

甘い腰の動きは、遅くなったもののまだ続いていた。

結局、夢の中で30回近く僕は射精した。

疲労が少ないため、いつもより多く出た感じだ。

出すだけ出して、夢は終わった。

翌朝。

僕が目を覚ますと、傍で笑い声が起こった。

「おはよう、早漏さん。昨日はご苦労様。」

寝返りをうって僕はミルバのほうを向く。

「身体の調子どう?疲れてる?」

「そうでもないよ。・・でもさ、ゴメンね、せっかくの訓練だったのに。自分勝手になっちゃって。」

「いいよ。別に。しょうがないよね。まだ、会って1月も経ってないもの。フフフ。」

「ゴメン・・」

「これから一緒に、時間をかけて慣れていけばいいんだわ。一緒にいる限り、結婚は逃げないから。きっと、焦られなくてもいいのよ。」

「そうだよね。」

「うん。そ、れ、で、昨日の夜、すごく私を愛してくれたでしょ?だから、またなんだけど・・・私・・」

まさか・・また・・

僕はむくっと起き上がって、かけ布団を剥がす。

現れたネグリジェ姿のなまめかしいミルバの体。

その腹は、若干膨れていた。

「エヘッ、また作っちゃったわ♪これで、3児のパパね。」



さらに時間は進む。

戦況は変わり始めていた。

人間が、淫魔駆除用の毒の霧を使うようになったのだ。

大都市を押さえていた淫魔の軍団は、次々と炙り出され壊走する。

人口密集地区に浸透し、内部から喰い散らかしていく淫魔の戦術。

これが完全に封じられたのだ。

主要な都市や村では、日に三度霧が立ち込める。

淫魔がいれば、全身緑色に腫れ上がり、やがて死ぬ。

淫魔の瘴気を吸いすぎた人間も、同様に死んでいく。

地下住居に来て約3週間。

僕たちは広い作戦会議室にいた。

部屋の中央に箱庭がある。

オターランドの地形を模したものだ。

「拠点をすべて失いました。私たちが押さえているのは、地方だけ。」

ミルクの姿をしたミルバは、薄暗いこの部屋でため息をついた。

ここ数日、ミルバの表情は沈み込んだままだ。

「このままでは、人間たちが体勢を立て直すわ。」

「人間は、もう地上を自由に行き来できる。つまり、この地下住居を探し始めるかもしれないということだ。」

「・・そんな。そんなことを考え付くでしょうか・・」

「彼らは反撃に転じて、気勢をあげているところだろう。少しリスクがあることでも実行するさ。」

「ここに攻め込まれたら・・ゲートを通って、別の世界に逃げるしかないわ。無論、むこうの世界に着いたら、すぐゲートを壊さなくてはならない。」

「この世界とそっちの世界の接触を断つわけだ。」

「そう。もしもそんなことになったら、一緒に逃げるのよ。」

「面倒見がいい飼い主だな。ペットは幸せだよ。」

ミルバは久々ににこっと微笑んで、僕に軽くキスした。

「ペットだって、家族の一員なのよ。」

それから6日後。

人間側の動きは、予想以上に速かった。

「ミルバ様!!大事でございます!!」

ミルク、ミルバの2人と昼寝をしていた僕は叩き起こされた。

2人の女の子も、眠りの世界から蹴りだされた。

「ああっ、なにか?そう大声を出さずとも良い・・」

ミルバはアクビをした。

メイド服の従者は、泣き出さんばかりの声で叫ぶ。

「人間が、人間が攻め込んできたのでございます!」

最悪の状況だ。

3人はベットから降りる。

「ここから引き揚げる用意を、なさってくださいませ!」

従者はまた叫んだ。

慌てて服を着るミルク。

彼女の肩は震えていた。

「ミルバ、ミルクちゃんを先に逃がそう。」

「ゼナ、おまえはミルクどのを連れて、向こうの世界へ逃げなさい。もっとも安全なところへ。」

ミルバは、自分のペンダントを外し、ゼナという従者に渡す。

「誰か邪魔するようなことがあれば、これを見せて、私の命を受けたといいなさい。」

「御意。」

ゼナはペンダントをとると、ひざまづいて礼をする。

「2人はどうするの?」

ミルクは心配そうに尋ねる。

「家族を逃がしてから、私たちも逃げるわ。」

「分かりました。どうかご無事で。」

ミルクはゼナに手をひかれて、部屋を出た。

「ミルバ、剣と鎧を貸してくれ。」

「何をするつもり?」

「皆が逃げる時間を稼ぐ。」

「私もそばに置いてくれるなら、貸してあげる。すぐ近くの武器庫に、あなたに似合う鎧があったわ。」

僕たち2人は武器庫に着くと、すでにほとんどの武具が持ち去られていた。

残った剣と漆黒の鎧を装備する僕。

兜と手甲も欲しいが、売り切れだ。

ミルバが細身の剣を手に取ったそのとき。

背後に気配を感じた。

「お姉さま!!こんなところにいらしたのですか!?早くお逃げになって!!」

振り返ると、全身を甲冑に包んだ人物がいた。

その甲冑は紫色で、輝きを放つ材質でできているが、すでにいくつもの返り血を浴びている。

「お姉さま!!!!」

その人物は剣を収め、ミルバに掴みかかる。

「あっ、何をする!?」

甲冑の上から胸をはたいたり、じたばたと暴れるミルバ。

力の差は圧倒的だ。

甲冑の人物は片手でがっちりミルバを抱くと、肩まで担ぎ上げる。

「ああっ!!いやああ!!」

絶叫するミルバを無視し、彼女は僕を見る。

表情は、兜のバイザーのせいで分からない。

「ヒデマロ様、力をかして頂きたい。ミルバ様とまだ何もわからぬ姫様たちのために。」

「喜んで。」

「人間どもはもう地下3階まで来ている。」

ここは地下4階。僕らのすぐ上だ。

「我が軍勢は遅延行動をとりつつ転進中。転進は2方向へ。一方は地下6階の空間移転ゲート。もう一方は、地下7階に入り口のある古い廃坑だ。この廃坑の最深部にもゲートがある。」

「私は、お姉さまを他の者に頼み、敵を迎え撃つ。貴殿にも助太刀願いたい。」

「了解した。」

ミルバはぎゃあぎゃあとわめき立て、甲冑の背中をドンドンと叩く。

ほとんど泣き声になっており、もう何を言っているか分からない。

「ええい、お姉さま!!!お黙りくださいませ!!・・・失礼、ヒデマロ殿。敵は見知らぬ武器を持っている。気づくと血まみれになっている武器だ。気をつけられよ。」

「ああ。」

「カサリーナ!ああ!ミルバも一緒に・・よかった、無事で。」

武器庫の入り口に、皮の鎧を着た大人の女性がいた。

その女性は、僕の知っている淫魔レティシアだった。ミルバとだいぶ年の離れた姉。

そしてこの甲冑の女性はカセリーナか。

甲冑のせいで気づかなかったが、何度か訓練試合で剣を交えた女だ。

「レティシア姉さま、丁度いいところに。ミルバ姉さんを連れて逃げていただきたいのです。」

「そんなに暴れられては、私の手に負えません。まずは、ミルバを解放してあげなさい。」

「えっ・・」

「はやく。」

しぶしぶミルバを肩から下ろすカセリ―ナ。

ミルバは、地面に降り立つと一目散に僕に飛びつく。

ガッチリ僕にしがみつく。

涙で顔がぐしゃぐしゃになっている。

「離さない、絶対に・・一人はいやなの。永遠に一緒だって、何回も約束したでしょう?忘れたのですか!?」

レティシアは、僕たちにそっと近づいて、どこからか、アイスピックのようなものを取り出す。

ミルバの背後に迫る。

僕が息を呑むと、その凶器はミルバの右肩に突き刺さった。

「あっ・・」

視界外のことに、状況を飲み込めないミルバ。

「ぁ、愛、て、ずっと、ゎたし・・」

うわごとのように呟くと、目を閉じて僕の身体からずり落ちた。

「ミルバ!!」

「大丈夫、ねむっただけ。」

表情ひとつ変えず、淡々と答えるレティシア。ミルバは床に伏す。

「ヒデマロ君にはお薬を渡そうと思っていたのです。」

「薬・・」

「あなたの体内の瘴気をすべて消し去る薬です。」

腰に下げた小さな袋をもぞもぞ探って、彼女は、親指ほどのガラス管を取り出した。

水色の液体が入っている。

「これを飲めば、人間と子供を作れるようになります。」

「ありがとう・・」

「今飲んでしまいなさい。」

僕は、言われるままにした。

味も匂いもない液体が、僕の身体に染み込んでいく。

淫魔の瘴気が、これで消えていく・・

ミルバと愛した証。消えていく。

僕は、この意味を理解し、受け入れた。

「さぁ、お母さんのところへ帰りましょう。可愛いミルバや。」

そう言って、レティシアは両手でミルバを抱きかかえる。

「ミルバはたくさん働いたわ。少し休みましょう。」

子供をあやすようにレティシアは言って、武器庫から出て行く。

「ヒデマロ殿は、もうミルバ姉さまにあえないかもしれない。このような結果になり、申し訳ない。」

「なんとなく、こうなる気がしてたよ。謝ることはないさ。」

カセリーナと僕は、一直線に回廊を走り、上がりの階段へ向かう。

ダンダン、ダンダンダン!

頭上で、激しい打撃音が鳴っている。

「あれが敵の武器。火を噴く筒。気をつけられよ。」

「まだ戦闘中だな。上に上がって、待ち伏せしよう。」

「分かった。」

僕たちは階段をかけあがり、天井の高い、広いホールに出た。

階段を上がりきって、数歩踏み出したとき。

向こうで影が動く。

敵だ。

扉のないこの部屋に、数名が入ってきた。

壁のたいまつの光が、相手の姿をぼんやりと映し出す。

暗視ゴーグルをつけ、ロシア製自動小銃を持った兵士3名。

その3人に守られるように歩いているのは・・

剣をもった美沙緒だった。

相手もこちらを認める。

「まだ撃たないで。」

美沙緒が3人に命じる。

「今更。今更・・出てきて・・」

美沙緒は剣を構えたまま、僕のほうに近づいてくる。

2mほど距離を置いて、僕らは正対する。

苦虫を噛み潰したような顔の美沙緒。

「許せない。この場で蜂の巣にしてやりたいくらい。ノコノコ出てきて、何の用よ?」

「・・交渉したい。淫魔は皆逃げている。追撃しても殺戮になるだけだ。君たちの勝ちだ。これ以上の戦闘に、意味はない。」

「意味はないですって。馬鹿言わないで。この穴倉のネズミを全部殺すのが私たちの使命なのよ。」

「その過程で、そっちが無駄に死傷者を出しても、仕方ないだろう。もう勝ったんだから。終わりにしていいんだ。」

「勝ったなんて確証はないわ。」

「君たちが攻撃するのを止めれば、皆逃げていくよ。」

「あなた方の強襲で、我々は完全に混乱状態。組織的な反撃など不可能だ。」

カセリーナは、負けを認めることの意義を理解したらしく、僕の言葉に続けた。

「ふん。白旗をあげて降参するつもりなのね。あなた、そんなことで許されると思ってるの?」

「許されるとは思ってない。ただ、助かる命があるなら、助けたいんだ。互いに、ね。」

「ヒデ、あなたは後で蜂の巣にするからね。楽しみにしてらっしゃい。」

美沙緒は、兵士のほうに振り返って、少し言葉を考えてから言う。

「・・全隊に撃ち方やめと伝えて。但し、これは様子見。警戒体制を維持すること。攻撃があるようなら反撃は許可する。そう、伝えて。」

僕は、カセリーナを退かせた。

ミルバとミルクによろしく、と言伝を頼んでから。

3時間後。僕は地上にいた。

日はだいぶ傾いてきた。

僕は呆然として地面に尻をつき、時折地面を揺らす振動を感じていた。

美沙緒たちは、地下住居に爆薬を仕掛けて、次々と爆発させたのだ。

二度とこの住居が使えないよう、彼女たちは『淫魔駆除ガス』なるものも、散布した。

もうここで、ミルバたちと甘い時間を過ごすことはないだろう。

ゲートも破壊されたのだろうか。

美沙緒たちが壊さなくても、淫魔たちが向こうの世界から壊すに決まっている。

だとすれば、僕は二度とミルバたちに会えない。

あまりにも大きなショックが、僕の胸を押しつぶす。

美沙緒には、ゲートを破壊したかどうか聞かなかった。

もし破壊していなければ、彼女は確実にそれを探し出し、破壊するだろうから。

地下住居に通じる入り口は、すべて破壊された。

愛しい人との思い出を辿って、一人洞窟をさまようことも、許されないのだ。



この日、悪魔との戦いが事実上終結した。

悪魔の残党は各地に潜伏するが、各個に撃破される。

術魔や暴魔は全滅した。

後から分かったことだが、淫魔の中には、ガスを吸わずに生き延びた者もいた。

彼らは人里はなれた森や洞窟で生活し、人間の精を吸って生きることになった。

特に、湖畔や泉など、好んで美しい場所に住む淫魔は、よく精霊と勘違いされ、人間の精を吸うのに不自由しなかったそうだ。

翌朝。

森を2つにわかつ街道。

土煙をあげて進む十数台の幌つき軍用トラック。

その中の一台に僕はいた。

日差しは次第に強くなっているが、まだ少し肌寒い。

このトラックの荷台にいるのは、僕と美沙緒の2人だけ。

僕には手錠がかけられていた。

「・・そういえば、春香ちゃんと萌ちゃんは。」

「療養中。萌は火傷。春香は骨折。」

「大変だったんだな。」

「忘れたい経験、いっぱいしたわ。どうして私がこんな目にって、何回も思った。」

美沙緒はうつむいた。

「もう、私、ヒデ君の知ってる私じゃない・・」

「そんなことないよ。ミサちゃんは、ミサちゃんだよ。」

「・・もういや。帰るわ。日本に。ここにいたら、人が変わってしまう。」

軍用トラック、銃、暗視ゴーグル。

これらすべて、財力にものをいわせ、美沙緒がここにもたらしたのだろう。

しかし、その功績の代償は、彼女には大きすぎた。

心に負った傷の深さは、計り知れない。

どれだけの殺戮劇を目にしたのか・・

「私は帰るわよ。この車は、スマッカン要塞へ向かうの。」

スマッカン要塞は、僕たちの世界とこの世界をつなぐ空間移転ゲートを守るため作られた要塞だ。

幾重にも渡る厳重な警備のもと、何世紀もゲートを守りつづけてきた。

今回の戦乱でも、結局、悪魔からゲートを守りぬいたわけだ。

ゲートは大昔、だれかが異世界を行き来するために作ったものらしい。

我が世界はいうに及ばず、オターランドでもその動作原理は謎。

破壊することはできても、創り出すことはできない。

この事情は、悪魔たちについても言えることだ。

一度壊れたゲートは、二度と直せない。

しかし、ゲートの使用、つまり異なる世界を行き来するのは難しいことではない。

ゲートと呼ばれる光の柱の内側に立ち、詠唱を行うだけでよい。

すでにこちらの世界からは、僕や魔女っ子ナイツの影武者が日本に渡り、僕らの代わりをつとめている。

「萌と春香には、手紙を出しておくわ。それ以外は、誰にも、なんにも言わないで帰るの。しらない、こんなところ。」

「僕も帰るかな。」

「そうしたほうがいいわ。もう、この世界には、あなたの居場所がないもん。」

「そっか。それもそうだね。」



オターランドを後にしてすでに5日が過ぎた。

日本では6月下旬。

僕の住む地方では、梅雨真っ盛りだ。

ここの梅雨は、気温が10度前半まで下がってしまうため、かなり寒い。

東京や他の地方じゃあり得ないだろうけど、ここに暮す人はヒーターやストーブを炊いて過ごす。

朝。

僕は身体を震わせながら、部屋のヒーターの前で着替えする。

ガクランを着込んで、ふと下を見ると、僕の足元にリスがいた。

一瞬僕は固まった。

なぜ、こいつがここに・・

「トッペル、おまえ、僕についてきたのか。」

幻じゃない。

本物のトッペルだ。

「ほら、おいで。」

僕がそのリスに手を伸ばすと、180度方向転換してベッドの下に潜り込んでしまった。

トッペルをいじり倒したいものの、そんな時間はない。

この寮じゃペット飼えないから、美沙緒に引き取ってもらわないとな。

こいつ、どこから現れたんだろう。

うまい具合に僕の背負い袋に紛れ込んでいたのか。

僕は部屋を出て、生徒たちの波に飲まれ高校へ向かう。

気を許すと、ミルバのことを考えそうになる。

だめだ、思い出しちゃ。

遠すぎる人だったんだ。

手の届かない人。

目もとがジワリとしてくる。

涙など、早く枯れてしまえ。

いつ降り出すか分からない曇天。

降ってはやみ、やんでは降る。

僕の代わりに、空が泣いてくれてるみたいだ。

教室に入る。

僕の席は最後尾。

あれ?

なぜか、僕の右となりに席がある。

僕の席の両側は、誰もいないはずなのに・・

ぼけっとする間もなく、担任が教室に入ってきた。

彼に連れられて、一人、セーラー服の女の子が室に入ってきた。

教室内のガヤガヤが静まる。

「きりーつ。」

「れい。」

「おはよーございまーす。」

担当が体育の、若い男子教諭は腕を組んだ。

「えー、皆、おはよう。今日は、うちら2年C組の新しい仲間を紹介する。苺野みるくさんだ。」

女の子は、ぺこりとお辞儀した。

僕の目はすでに、完全にその子にくぎ付けだった。

女の子のほうも、僕を見つけて目があう。

一瞬、口元で喜んでみせる彼女。

「苺野さんは、ご両親の都合でスウェーデンで暮してきた。スウェーデンといえば、皆も知っていると思うが・・」

変わっていない。

別れたときそのままのミルクの姿。

腰まで伸びた黒い髪と、頭の後ろで結んだ赤いリボン。

誰もが目を見張る、可憐ながら、どこかコケティッシュな顔立ち。

セーラー服では隠し切れない、ふくよかな体つき。

僕は深くため息をついた。

惚れなおしてしまう。

なんて可愛いんだろう。

「・・というわけだから、苺野さんが早く生活になれるように、サポートして欲しい。特に、苺野さんの席のとなりのヒデ。ストーカーにならん程度に、親切にするんだぞ。赤外線カメラで盗撮とかしないようにな。」

「あ、は、はい!」

僕は慌てて返事をした。

多分、笑いどころのはずだが、誰も笑わない。

男子生徒も女子生徒も、みるくを見て凍りついている。

突然、愛と美の女神が目の前に現れたのだ。

最初は、誰だって凍りつく。

「えへっ、苺野みるくです。知らないことばっかりの私だけど、皆さん、よろしくおねがいしまぁす。」

「それじゃ、苺野さん。席について。」

「はーい。」

みるくは、教壇を降りて僕のほうにやってくる。

彼女から目が離せない。

僕の心臓は、壊れそうなくらい高鳴っている。

僕たちの世界に降り立った悪魔。

女神の姿をした悪魔なのか、悪魔に化けた女神なのか。

淫魔が憑依した少女は、自分の席につく直前、僕に囁いた。

「これからも、宜しくね♪」

淫魔に精を搾取される毎日が、また始まる・・


<淫魔王女対凡人 おわり>


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