『淫魔猟兵対美少女戦士』

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本SS(短編小説)は、2004年から2015年ごろまでWisper様に掲載されていた作品です。

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リサさんが部屋から出て行ったあと、ペンダントは僕の手にあった。

とてもミーナに渡す気にはなれない。

リサさんの説明では、ペンダントの裏の目盛りが、蓄えられたエネルギー(精力だけでなく、性欲、愛などの欲望・想い・生命力のエネルギーだという。)の量を示しているということだった。

裏に彫られた、縦に伸びる1cm弱のゲージ。

全部で5本の目盛りが入っている。

このゲージが白で満たされたとき、変身が可能となるのだ。

変身は、時間がたつと解ける。

最大で約15分間の変身が可能だ。

ペンダント所持者が濃厚なエッチをすればするほど、エネルギーは溜まる。

愛が溢れるエッチで、何度も我慢したり、あるいはしつこくイかせられたり。

そんなエッチが理想なんだそうだ。

そりゃ誰だってそんなのが理想だよ。

へとへとになるようなエッチをすれば、どんどんエネルギーは溜まる。

ペンダントを膣内につっこむとか、ザーメンをぶっかけるとか、そういうマニアックなことをする必要性はない。

「あは、お腹いっぱいになった?」

彼女は僕に笑ってみせる。

うまい焼きそばだった。

って、僕が買っておいた、ただの「サルチャン蒸し焼きそば」なんだけど。

「とってもおいしかったよ。少ししたら、一緒に片付けようね。」

「うん!」

僕はウーロン茶を飲んで一息ついた。

見かけは同世代の子だけど、やっぱりまだ子供なんだ。

こんな幼い悪魔に、無謀な戦いをさせるなんて僕にはできない。

いや、むしろ・・

これは彼女の母親の策謀なのだろうか。

僕を必死にさせるための。

僕が少しでも手を抜けば、この子は死ぬ。

そういう状況を作って、僕に働かせる。

あるいは、もっと別なたくらみなのか。

まあ、悪魔の心は悪魔にしか窺い知れない。

疑ってみても仕方ないか。

腹が落ち着いたところで、僕たちは並んで皿を洗った。

「エプロン、つけないの?」

「面倒だから、いつもつけないよ。皿も少しだけだしね。」

「服汚れちゃうよ?」

「じゃあ、次からエプロンしようか。」

「うん!!おそろいのがいいなー。」

教育上好ましくない、『裸エプロン』という単語は控えた。

ところで、ラブリーナイトを倒すには、変身するだけじゃだめなんだよな?

相手を出し抜くだけの戦闘能力が必要だ。

そして、様々な状況に対応できる柔軟な戦闘能力。

拡張性に富んだシステムを考えなきゃ。

幸運なことに、材料はそろってる。

現代人の夢と空想が作り出した産物が、この世界には溢れている。

例えば!

変身特撮モノの番組とかね。

僕は、それをまとめて、もっともらしい解釈を与えてやればいい。

そうすれば、このペンダントみたいに現実のものになる。

もう、対ラブリーナイト作戦は始まっているんだ。

僕は洗う手を止めていた。

「ねぇ、どうしたの?ずっとコップみて。」

「ミーナは、さっきのリサさんの話、どう思う。」

「あたし、あいつとなんか戦えないよ。」

「そうだよな。」

「誰か、別のねぇさんが戦えばいいの。」

「正直、僕もそう思うよ。」

「でもぉ、変身するだけならチョットしてみたいかも。なんかかっこいいじゃない。」

「僕も見るだけなら、見てみたいね。」

「ウフフ、時間もあるんだし、あとで試してみない?」

「いいの?」

「ねぇねぇ、ペンダント、かしてよ。」

僕は言われるままに、ズボンのポケットに入っていたペンダントを渡す。

ミーナはためらう様子もなく、首にかけてみせた。

「えへへ、可愛い?」

「うん、似合うよ。」

ミーナはにっこりした。

「じゃあ、次は、エッチしないと。」

「エ、やっぱりそういう流れになるのかよ。」

「秀平さんの”せーし”、もらっていい?」

「う、いきなりかよ。」

「もらうからには、最後まで面倒みるわよ。どうする?」

「まって、考えさせてよ。」

「いや。すぐ決めて。」

ミーナは、すっと僕に抱きついてくる。

彼女の両手は、僕の背中にまわる。

柔らかい彼女の肌の感触を、服ごしに感じる。

ぬくもりと心地よいバラの香りが、僕にまとわりつく。

そして、僕と彼女の胸が、すっかりくっつく。

おっぱい、おっきくて・・柔らかい・・

「あたしは淫魔。だから男の子を襲うわ。何も悪いことじゃない。気に入った人が目の前にいる。おいしそうだから食べるの。難しい理屈はいらないわ。あなたの気持ちなんて、どうでもいいの。」

「無理やり、ってこと?」

「だって、いいって言わないんだもん♪そうするしかないでしょ?」

「強引なんだな・・」

「えへっ、愛を知りたいのよ。」

くそ、そんなこと言うなよ。

抵抗できないじゃん。

「おなかいっぱいって、さっきいってたのに。」

「見てたら食べたくなっちゃった。」

「なんだよそれ・・」

「ね〜いいじゃないのよー!エッチしよっ。」

ミーナの目はもの欲しそうに、僕を見ていた。

僕はとても直視できず、目をそらした。

「エッチ嫌いなの?嫌いでもいいよ。好きにしてみせる。」

「嫌いなわけないだろ。」

「フフ、じゃあ、しましょっ♪」

と、僕の体から力が抜けた。

僕の意思とは無関係に。

ミーナに軽く肩を抱かれたまま、僕はへなへなと台所の床に尻をつく。

ミーナが力をかしてくれなければ、倒れこむところだ。

「な、なんだ、力が入らない。」

腹から下がしびれたみたいだ。

「抵抗できなくしたわよ。」

「手はまだ動くぞ。」

「あぁん、手が動かないと、あたしの胸、もめないでしょ?」

もむって。そんなに揉んで欲しいのかよ。

「さぁて。おいしそうなえさを、どう料理しようかしら?」

股をがばっと開いて、しりもちをついた体勢の僕。

ミーナは、そんな僕を見下ろして腰に手をあてる。

「言っておくけど、おま○こはだめよ。大人になるまで、本番は駄目なの。」

いきなり本番禁止宣言にがっくし。でもちょっと、ほっとする。

「素股?手コキ?フェラ?何がいいかしらねぇ。リクエストはある?」

「な、ないよ。」

「消極的なのねぇ、男のくせに。」

得意げな表情が浮んだ。

「あぁ〜、パイズリってのもあるわね。あと、アナルプレイとか。」

「お尻の穴は、ちょっとやだ。」

「あたしも、ちょっとやだな。」

なら言うなよな。

「初心者ってことで、手と口で遊んであげるね。」

ミーナは、四つんばいになって、僕の股間に顔を近づけた。

「ウフフフ・・すっかりズボンが張ってるわね。」

ペニスはすでに勃起しきっており、痛いくらいだ。

彼女は右手で、僕の社会の窓を開ける。

これから起こるであろう展開が魅力的すぎて、僕は全く抵抗しない。

むしろ、早くして欲しいくらいだ。

細い人差し指と薬指が、するりとトランクスの内側に忍び込む。

「あら、ちょっと色っぽいそぶりを見せただけで、こんなになって。」

ミーナは、僕のちんぽ○を右手でつまんで、社会の窓から引っ張りだした。

外気に晒される。

「わー、皮かぶってる〜。」

「ちょっと触ればすぐ剥けちゃうよ。」

「やぁん!すっごく童貞!」

なんだよ、すごい童貞って、すごくない童貞もあるのかよ。

最近までやってたアニメみたいだな。

ケロイドスター第21話、淫魔とすごい童貞。

もうわけわからん。

「ミーナが剥いてくれるの、ずっと待ってたんだよぉ〜」

「まあ♪未来のだんなさんのおちんち○を、一から調教できるのね。」

彼女は、つまんでいたペニスを持ち替えて、皮の上から優しく握る。

「ああん♪精気が詰まってるのが分かるわ。ほーら、こうすると・・」

右手でペニスをゆっくりとさすりながら、左手を伸ばして僕の胸をなでる。

「どお?このままイかせてあげる。」

「う、うん・・」

「ウフフフ、イかされ上手のチェリーボーイにしてあげるからね♪」

くぅ、生まれたばかり淫魔のくせに、変な言葉ばっかり詳しいんだな・・

触られ、撫でられ、さすられ・・肉棒は苦しいくらいに充血する。

イかされ上手・・

ミーナに搾られるまま、精を放つ奴隷になるってことか。

こんなに可愛い子の精奴隷なら、それでもいいかな・・

「わは、すっごく熱いね。このまま続ければ、イっちゃうのかな。」

ミーナは、少ししごく手を速める。

すべすべした肌が、指が、竿を容赦なく上下にしごく。

そして僕の上半身の感覚は、胸の愛撫に支配されている。

上半身も下半身も、幸福感でいっぱいだ。

与えられる快楽に夢中になって、僕の両手は床についたまま。

むわむわと、次第に高まっていく性感。

おちんち○が、しごかれて気持ちいい・・

もっともっと、こんな風にして欲しい・・

竿から亀頭へとしごくときに、ぎゅっと亀頭のエラまで握る。

ううっ。

「あっ、あぅっ。」

思わず変な声が出た。

「あはっ、エッチなよだれがあふれてるぞー。」

彼女の言うとおり、もう止まらない我慢汁。

いまにもイきそうだ。

握りを強めて、彼女はさらにしごいた。

うっ、うはぁ、ちんち○シコシコ気持ちいい!!

「ほらほら、早くイっちゃいなさい。奴隷のくせに、何我慢してるのよ?」

そんなぁいぢめないで〜。

「が、我慢なんか、してな・・か、かはあっ・・!」

肉棒の先っちょで、エッチな喜びが広がっていく・・

ペニスは、シコられる快楽と張りすぎた苦痛を同時に僕に与えてくる。

今にも精がこぼれそうだ。

つらいけど、滅茶苦茶気持ちいい!

なすがままになるうちに、絶頂を迎えてしまう。

「あぅっ、もう、い、いく!!」

「ふふ、すっかり奴隷さんね。いいわ。あたしのことたっぷり愛しながらイくのよ。」

射精願望に肉棒は屈し、精子たちは一気に尿道から流れ出す。

「ああああっ!!ミーナ・・!!ミナッ!!!いくっ!!」

その声を聞いて、彼女は両手の動きを止めた。

彼女の右手の中で、僕の淫棒が暴発する。

白濁液が、ぴゅぴゅっと3度、空中に舞う。

彼女の半そでのTシャツに付着する。

ペニスは、萎えるどころか、さらに膨らんでいる。

「もっともっと、あたしのこと愛してね。奴隷さん♪」

「あ、はぁっ・・ミーナ・・ミーナ・・」

再びミーナは、両手で僕の胸とちん○を責める。

「ほらほら、もっとお出しなさい。あなたはあたしだけのものになるのよ。」

シコシコ、なでなで、なでなで、シコシコ、ナデシコナデシコ。

甘い毒がどんどん体を蝕んでいく。

ん、くはぁ。

体が火照って、意識が朦朧としてくる。

いかん、このままじゃまた僕の肉棒からエステバリスが出撃するっ!!

「だ、大好きだよ、ミナっ・・」

「フフフ、そう、素直ね。いい子よ。また、気持ちよくイかせてあげるね。」

シュッシュッシュッ・・

しごきがより強く、速くなる。

搾られてるぅぅ。

でも、とっても嬉しい。

自分の好みの子に搾られてるんだから!!

僕はこの子がとっても好きだ!

「一目惚れした相手に、こんな風にいじめられて、幸せそうね。」

僕の気持ちを見透かすようなその言葉。

彼女のそんな言動と自らの恋愛感情で、どんどん性感が高められる。

また僕はイきそうになってしまった!

イきたい!!

イきたい・・キスしながら・・

「ミナ、ミナぁ、僕・・キスしたい・・」

「うふん♪その前に、エッチなミルクだして。」

ビクビク!!

彼女の言葉に、ペニスはあっさり反応してしまった。

膨れ上がったペニスは、再び臨界点を迎え、精を放った。

びゅーーーっ!!びゅっ、びゅっ!!

「あ!!はあ!あぁぁああ・・」

美しい少女の笑顔を見ながら、僕は射精したのだ。

「アハハハッ。・・あはん、精子、ついちゃった。」

彼女は、べったりと精液のついた右手をペロペロなめる。

「んはっ☆あまずっぱくておいしい〜・・」

「ハァハァ、ハァハァ・・に、にがくないの?」

「ううん、果物みたいな味がする。今日からあたしが、こんな精子を独り占め。」

舐めれば舐めるほど、彼女の目はとろんとしてくる。

手を嘗め尽くすと、自分のTシャツについた精子を手に取り舐めた。

「こんなにおいしいなんて、失敗したわ。最初から口でイかせればよかった・・」

彼女は顔を僕に近づけ、チュ・・と、軽くキスをした。

「あと何回くらいイける?」

「え、そんなの、わかんないよ。もう一回くらいは、いけるよ。」

「あたしだって、それくらいわかるよぉ!」

そうだよなあ。

さっきから肉棒が元気に立ってるもんなあ。

「あたし、男の子イかせたの初めてだったの。でも、気持ちよかったでしょ?」

「全身溶けるかと思ったよ。」

「また、溶かしてあげるね。」

彼女は、ぱくっとちん○をくわえた。

そのまま頭を前後に振って、口内の粘膜と舌でペニスを責める。

淫ら過ぎるほどの粘液質の音が、部屋に響く。

ずむちょ、ぐちゅっ、ずぼちょっ、ずみゅっ・・!

頭の振りは最初から激しい。

亀頭とカリは、柔らかい粘膜で包まれながら、容赦なく舌の愛撫に晒される。

舌が、表面のザラザラでカリを責めたかと思えば、今度は先っちょを責める。

さらに竿全体が、頭の前後運動で粘膜により愛撫される。

多少は萎えたはずのペニスが、アッという間にパンパンになる!!

頬と舌で作られた肉筒は、膣のようにペニスをこすり、締め上げ、絶頂へと導く。

「うはぉ、す、すごい!!そのまま続けて!!」

咥えられてから30秒も経たないうちに、エッチな喜びが肉棒をじんわりさせる。

射精を促す彼女の舌は、僕の亀の頭を包み込むように舐め、そして、先端をつつく。

レロレロ、ツンツン、レロレロ・・ツン!ツン!!

レロレロレロ!!

そんなに叩かないで!!

く、くぅっ!!

だめだぁぁぁあっ

ミーナ・・

僕はまた、愛しい淫魔の名を呼びながら達した。

どくぅっ!!ドクン!!ドクン!!ドク!!ドク!!

甘く熱い、愛のほとばしりを彼女の口に注ぐ。

ドクン、ドク、ドピュ、ドピュ、ピュッ・・

彼女の責めが止んだ。

「あっ、ああああ、だめ、イった・・」

すげえ、今までとは比べものにならないほどの解放感だ。

まじでいっぱい出てる。

好き。

大好きだ。

ミーナが愛しくてたまらない。

セックスラブっていうのかな、こういうの。

でも、そんないやらしい言い方したくない。

できる過程はともかく、今できてしまったのは、紛れもなく愛なんだから。

彼女は頭の振りをとめて、一旦口内で精液を味わってから飲み下す。

足りないのか、ときおりチュチュッと先端を吸ってみせる。

「あ、ああ、あっ・・ひ、はあ、ひぃ・・」

ひとしきり欲望の液を出すと、ペニスは萎え、僕は脱力した。

「ああ、はあぁ、ふう、ふう・・」

僕は呼吸を整えようと努力する。

と・・

チューーッ!!チューッ!!

ミーナが尿道口を、強く吸ってくる!!

「うくっ!!かはあっ!!」

萎えたのに、萎えたのぃぃ

みるみる勃起していく!!

先端を襲う鋭い刺激に、僕の肉棒は喜んでいる!

彼女は頭の振りを再開し、散発的に吸いつつ、カリを徹底的に舐めまわす。

ペニスはミーナの奴隷となって、どんどん膨れていく。

とどめとばかり、彼女は竿を右手で強くしごき始める。

シコシコシコ・・

気持ちよくなってきた。

もうだめだ、またイかされる。

「ミナ、僕また・・イっちゃふ。」

手が強く握ったり、弱く握ったりするかと思えば、カリ首が舌でたっぷり愛される。

「ミナ、ミナ、ミナ、ああああっ・・ぐぅ!!」

どびゅるるるる!!

愛に満ちた至福の時。

ビューーッ!!ドブッ、ビュル、ピュ・・

ミーナの頭の動きが止まった。

精液の美味に酔いしれているのだ。

あ。

ああ。

肉奴隷に。

なっちゃふ。

「ぼく・・こわれちゃう・・」

亀頭から一滴残らず精子を舐め取ると、彼女はペニスを吐き出した。

「ふう〜、あはは、今度は夢の世界にご招待しちゃうわね。」

「夢の・・世界・・?」

「死なない程度で、搾り尽くしてあげる。」

「搾るって、もう、出ないよ。」

「ウソばっかり。あなたの体、まだまだ精力に満ちてるわよ?」

「そんな。もう、無理だよ。」

「お口で出すのは無理でも、本番なら出るよね?」

「ほ・・本番!?するんだ?」

「そうよ、ただし、夢の世界で、ね?」

待て。

夢の世界だろうが現実の世界だろうが、僕の体はガタガタだ。

理性はこれ以上の行為を拒否している。

体も、肉欲に代わり疲労が支配している。

「待って、本当に、無理なんだよ。」

「そう・・じゃあ、無理じゃないってことを、あなたに教えてあげるわね♪」

ミーナは、僕の両足の間でにやりと笑った。

それは、獲物を手中に収めた淫魔の笑み。

今の彼女は、さっきまでのミーナではない。

本物の淫魔だ。

「参った!降参だよ!もう許して!!」

「あらあら。もう降参?」

「は、はふぅ・・も、もう降参だよ。」

僕は、床の上にあお向けになった。

体には、力が戻っていた。へとへとだけど・・

露出されたムスコは、あっという間に干からびていく。

「アハハハッ!小さくなったわ、だらしないわねぇ。へぇ、男の子ってこうなるんだぁ。50へェくらいねぇ。」

なんとでも言え。

「これだけヘロヘロになっちゃうってことは、このまま続けると、本当に死んじゃうのかな。」

ミーナは、僕の玉袋と右足の付け根を手のひらですりすりしながら、問いかける。

「ねぇ、どうなの?人間さん。」

「確かに死んじゃうかもな。」

「でもぉ、あたしに搾られて死ぬなら、嫌じゃないでしょ?」

「そう、かもね・・」

それはそうなんだよ、くそ〜、こんな可愛い姿しやがって!!

これじゃあ、どんな酷いことされても、愛してしまうじゃないか!!

「アハハハハッ、もうメロメロね〜。」

うううう、こんな可愛い子に化けやがって!!

「だいたい卑怯だぞ、そんな可愛い子に化けて。正体をあらわせ。」

「やだよーだ。あはん、あんたを骨の髄まで堕落させて、精奴隷にするまでは、正体は明かさないわ。」

分かったぞ。正体はブス女なんだな?

言おうとして、やめる。

下手に怒らせると、精巣すらもしゃぶりつくされて、再起不能になりそうだ。

再起不能っていうか、不能ね、いわゆるインポ。

「アハハ、おもちゃで遊ぶの、楽しい〜。」

「僕のソレは、おもちゃじゃない!!」

「フフフ、分かってるわよ。愛しい人を愛するための道具だよね?だから、愛すだけ愛させて、あとは無理強いしなかったわよ?やるのも愛だけど、やらないのも愛よ♪」

ミーナはウィンクした。

「ね〜、すっきりした?」

「そこはすっきりしたけど、なんかこう、モヤモヤするような。」

「ひょっとして、”こーぎ”したいのかな?」

「講義?講義したいかって?何の講義?」

彼女はじれったそうに、僕の上に覆い被さる。

「あんたって、ほんと罪な存在ね。何回も犯したくなっちゃう。」

僕のまわりの空気は、ほのかなローズの香りに染まった。

自分のおっぱいを僕の胸にすりつけ、正常位の体勢で僕の唇を奪う。

むちっとした柔らかな質量が、僕の胸板を犯す。

レロレロ、ちゅっちゅっ、むちゅむちゅ・・

キスを繰り返しながら、浅く舌を押し込んでくる。

ミ―ナの乳首の感触が、こりこりと胸を触る。

僕が彼女の舌を舐めると、すぐ逃げていく。

そしてまた入ってくる。

僕はそんな舌を逃がすまいと、唇を彼女に強く押し付けた。

それでも足りず、僕はミーナを強く抱く。

しばらくそんなことを続けて、彼女は唇を離す。

「はぁ、どう?”こーぎ”のつもりなんだけど・・」

講義じゃなくて、後戯なのね。

「頭が真っ白になったよ。」

「するごとに、好きになっちゃうから、フフフ・・・覚悟してね。今回はこの辺で満足してあげる。ね、離して。」

名残惜しいが、僕は両手を解いて、彼女を解放した。

ミーナは、僕から体を離し起き上る。

「立てる?ほら、つかまって。」

僕はミーナの右手をかりて、なんとか起き上がる。

立ち上がってミーナと向かい合うが、ちょっとクラクラする。

「モヤモヤ、晴れた?」

「うん。」

「心も、体も、すっきりした?」

僕はうなずいてみせる。

「よかったぁ。また、夜、しようね。」

ま、またするのか!

「夜はもっと、本気でしようね。」

「さっきのは、本気じゃないのかよ。」

「ちょっと・・遊んでみただけよ。」

「僕は本気だったぞ。」

「何が本気なのよ、ちょっとシコシコされたくらいで。あんなので大喜びしてたの?」

ぐさっ。

うっ・・

「なーんてね。冗談よ。アハハハ・・」

「は、はは、はは、はは・・ふう。」

正直、今の言葉は痛かった。

笑い終わって、ふと一瞬、見詰め合う僕ら。

発作的に僕は、彼女を抱いて深くキスした。

何もいわず、彼女は僕の頬を愛撫してキスを返す。

僕らはしばらくその行為を続けた。

「ハァッ、いけない。あなたのこと、心の底から信用しちゃいそう。」

「僕もだ。」

「こんなに簡単に人を愛してはいけないわ。あたし、悪魔だよ。」

ミーナは、僕にも自分に対しても諭すような口調だった。

「悪魔だろうが、なんだろうが・・」

僕は彼女のウエストを強く抱いて、再びディープキス攻勢をかける。

本能に訴えかけて、僕と同じ気持ちにしてやるぅ。

彼女はキスを少しだけ楽しむと、ぱっと口を離した。

ミーナの肉付きのいい両腕がつっぱり、僕と彼女の間に距離を作った。

「より深く愛したほうが負けなんだから。あたしはそう簡単に、負けないわよ。」

彼女の表情がきりりと引き締まる。

「いい気にならないで。あんたなんか、あたしが本気になれば、本物の肉人形にできるんだから。」

「できるけど、やらないんだろ。」

「いつまで抱いてるの。早く放してよ。」

「ちぇっ、何だよ急に。僕のこと、気に入ってたんじゃないのか。」

僕はしぶしぶ、彼女の心地よい腰を放した。

「ペットになるのは、あたしじゃなくてあなたなんだから!」

「そうさ。早くペットになりたいから、君をだっこするんだよ。何がいけない。」

「だ、だっこはいや。反則よ。こっちが不利よ。」

「分かったぞ。チューされたり、だっこされたり、カナリ気持ちよかったんだろ?」

「えっ、それは。えーと、あっ、そーだ。そろそろお勉強の時間だわ!!」

展開の速いやつ!!

フェラチオの次は勉強だって?

なんの勉強だよ、性病の勉強か?

「あたしね、てれびとか本読んで、この社会の勉強しなきゃないの。」

「僕らの世界の情報を集めるわけだ。」

忙しいやつだな・・

「そーなの。ね〜、おいしい晩御飯作ってあげるから、手伝ってよ。ね?」

いや、僕、まだお腹いっぱいですから。

ミーナはきゅっと僕に寄り添うと、胸板に頬を擦り付けてくる。

「ふにゅ〜、お願いぃ〜」

「わ、分かった分かった。」

「わーい♪」

って、どう手伝うんだよ・・

一時間後。僕とミーナは、勉強机についていた。

「カルタゴの将軍ハンニバルは、アルプス越えを敢行し・・」

「ふむふむ・・」

さらに一時間たつ。

「近年、中国の経済成長は目覚しく、アメリカの貿易赤字の一因ともなっているが、その反面、大陸内部と沿岸部の経済格差は大きく・・

」 「なるほどなるほどぉ・・」

彼女は一向に飽きない。

一応、学年トップの成績を誇る僕(自慢してるわけではないですが)ですら、さすがに疲れてきた。

驚きだ、淫魔がこんなにも勉強に熱心だなんて。

そして、やはり悪魔だからか、賢い。

言った話がスイスイ吸収されていくようだ。

「せんせー!!今度は、”せいかついっぱん”の授業してくださーい。」

せいかついっぱん?

まさか、性活?それとも、生活?

「せいかついっぱんって、どんな内容かな?」

「電車の乗り方とか、お買い物の仕方とかぁ。」

「うん、分かった。じゃあ・・ふぁーあああああ・・」

大きなあくび。

「あ〜、せんせ〜眠くなってる〜。」

さすがに、ちょっと疲れたみたいだ。

「夜は、色々やりたいことあるんだけどなー。」

「そ、そんなに無理だよ。明日にしようぜ。」

「え〜!?やだぁ。」

「疲れきった男から精吸ったって、おいしくないだろ?」

「あら、無理やり搾った精はおいしいわよ?きっと。聞いた話では、すっごく濃い、黄色い塊みたいなのが出てきて、一度味をしめたら・・」

「しんじまうよ・・」

「若いのに、だらしないぞー!」

僕は彼女の両手をぎゅっと握った。

はっとしたように、僕を見つめるミーナ。

「これからずっと一緒なんだろ?別に今夜しなくてもいいだろ。」

「まぁ、それはそうなんだけどね。仕方ない。勘弁してやるかぁ。」

そういって彼女は、目をそらして照れ笑いしてみせる。

意外に純情だな。

さっきの抱っこの話もそうだけど。

「晩御飯、食べてから寝るの?」

「いや、眠いんで、お風呂に入ったら寝ようかなと。」

「ふうん、寝ちゃうんだね。・・もっとお話ししたかったけど・・」

ミーナは僕に寄り添うと、僕の頬にキスして、また離れた。

「添い寝していい?」

断る理由などなかった。

くそっ、悔しいぐらい可愛すぎるぜ。

僕はミーナの頬にキスを返した。

チュッ☆

さすがに、恥ずかしくて一緒にお風呂には入らなかった。

寝る前にペンダントを見てみたが、最後の目盛り一つ分、エネルギーが足りない。

思ったより早くエネルギーは溜まるんだな。

・・あれだけベタベタしてれば、当然か・・


日曜の午前8時20分。

僕は夢の世界にいた。

うるわしのミーナ姫を救出するため、悪の魔導師と熾烈な戦いを繰り広げていたのだ!

「貴様なぞ、このわしの魔力をもってすれば・・!!」

「残念だったな。今の僕には、体を通して湧き上がる力がある!!そう!!ミーナ様への愛だ!!これがある限り、おまえの魔法なんか!!」

しかし、ロマンチックな夢は、部屋のテレビから発せられる叫び声に打ち砕かれた。

『へシン!!』

『トーンアップ』

『ウェイイイイイイ!!』

『アントット!ココディケッチャコツケルゾ!!』

バシバシ!ビリビリビリ!

カキ―ン!!

ドカーン!チュドーン!!

『ウェイイイイ!?ヤヴェロブヅキ!!』

僕は叩き起こされた。

「な、なんだ!?」

「あはっ、起きた起きた!おはよー。」

僕の部屋で、クッションにちょこんと座ったミーナ。

ちょっと季節はずれの半そでTシャツ。

ふっくらした二の腕が丸見えだ。

体育座りなのだが、今日もミニスカートを履いているせいで、パンチュが丸見えだ。

水色と白の縞模様。

いわゆる「しまぱん」である。

ぱんつとむっちり太ももで、朝から挑発してんのかよ。

しかしよく見れば、彼女はテレビに見入っているではないか。

挑発とかそういう気はないようだ。

番組は、イケメン満載の変身特撮番組『仮面レイダー・ドンドゥル』。

これ、女の人に大人気らしいんだが、ひょっとしてミーナも・・

っていうか、ドンドゥル見てるなら、わざわざ僕が一ヶ月契約で軍事顧問にならなくてもいいような気がするなあ。

「あはっ、見て、タティバーワさんが出てきたよ〜」

インド人みたいな名前だなあ。

『ヨガリエースハオレノモノダー!!』

「タティってさ、ちょっとカッコいいのよね。」

「まあ、確かになあ。渋いっていうか・・」

「あたしもさぁ、変身したら、こう強くなるのかなあ。」

「うーん、それは。やってみないとなんともねえ。」

あ、そうだ。すっかり忘れてた。

あのペンダント、添い寝の分エネルギー溜まったんじゃないか?

「ミーナ、ちょっとペンダント貸してよ。」

「うん。」

彼女はテレビから目を離さず、ペンダントを手渡す。

ペンダントを裏返す。

裏に刻まれた目盛りを見て、僕は息を呑んだ。

目盛りはすべて白色に染まっている。

おお!エッチしなくても、ベタベタするだけでしっかり溜まるのだ!

これで変身・・できる?

「ミーナ。エネルギーが一杯になってる。今なら変身できるぞ?」

「エ!?本当?」

僕はペンダントを返してやる。 ミーナはそれをまじまじと見て、歓声をあげた。

「やったぁ、これであたしもへシンできる!」

ミーナは立ち上がってガッツポーズする。

テレビのほうはエンディングテーマが流れ、続きは来週の気配だ。

「早速、変身の実験してみようか?」

「う〜ん・・」

とたんに歯切れが悪くなる。

何故だよ。

「これ終わると、次がダブルゼットタンタムなのよね〜。それが終わると、次は東京ムームーだし。今日は見たいテレビがいっぱいあるのよ。全部テレビみてからじゃダメ?」

「そんなことないけど・・じゃあ、全部終わるまで待ってるね。」

結構テレビっ子なんだなあ。

ま、可愛いから許すけどさ。

ミーナがテレビにかじりついてる間、僕は変身の各種詳細を詰めることにした。

リサさんに何か頼まれたとき、資料があると助かるだろ?

僕はベットから椅子に移り、パジャマのまま勉強机についた。

物理の配布プリントの裏に、絵を書き始める。

女の子の絵。

僕のそばでテレビも見てる子の全身像。

こうみえても、絵は得意なほうだ。

萌え絵だって、描けるんだぜ。

まぁ、下書き程度だからな。ささっとミーナ嬢を二次元化してみる。

とりあえず、ミーナ嬢・全裸の想像図を描いてみた。

太ももの太さはいいとして、おっぱいの大きさはどんぶり勘定。

外から見た感覚で描いたら、なんかEカップくらいになってしまった。

乳首は描かない。

萌えることが目的ではないのでね。

さて、次はコスチュームを妄想してみる。

あくまで妄想版。

実際変身してみたら、結構まともなコスだったりして。

だったら、クレームつけて僕考案の萌えコスに変えてやる。

まずはミニスカート。これは外せない。

清楚ながらもさりげなく下品な印象をもたせるため、ブルセラ標準色。

つまり紺色である。

紺色とくれば、スク水かブルマーである。

ミニスカだから、その下にブルマーを履かせる。

上半身は紺色スク水で決めるぜ。しかも旧タイプだ。

これじゃあ、ただの変態コスなので、肩や胸は、青と白の擬似セーラー服で隠してやる。

胸で結ばれる青の蝶ネクタイ。

全部スク水じゃないだけ、ちょっとはまともな感じがする。

ただし、お腹の部分はスク水丸出しだ。

そして肘まで覆う長い手袋!

これも必須だね。

色は紺色。

足はハイヒールにしたいけど、激しい運動を伴うから、やむなく短めのブーツ。

生足を強調する方向で。

とりあえずの構想を、さっそく描きだしてみる。

カキカキ・・ケシケシ・・カキカキ。

色も色鉛筆で塗ってみた。

そしてできあがる我らが変身ヒロイン。

裸に比べると、かなりエロい仕上がりだ。

さすがは淫魔戦士のコスチューム。

生でみたら鼻血でそう。

ってか、僕、嗜好の方向がブルセラおやじじゃん。

細長い金のイヤリングと、首のチョーカーも追加する。

ああ、そうだ、額を飾るティアラも必要だな・・

全部描きいれて、あらためて鑑賞する。

なかなかイイできだな。

エロゲームの変身ヒロインとしては。

これで僕の士気は大いに鼓舞される。

あとは(?)、彼女自身の戦闘能力だ。

武器は、そうだなあ。

ラブリーナイトは剣。

こっちはリーチの長いものを考えてみよう。

鎌とか?

死神のイメージだけど、悪魔が持ってもばちはあたるまい。

でも、鎌ばかり振り回すってのもなぁ。

状況に応じて色々な武器が使えると強そうだ。

そういえば、さっきやってた『ドンドゥル』。

あれってカードで、色々な力が使えたな。

これを真似するってのはどうだろう。

鎌に、カードリーダーがあって、カードスラッシュすることで、鎌が可変したり、魔法が撃ちだされたり・・

ただの鎌じゃなくて、可変型鎌『ヴァリアブル・サイス』ってのはどうだろう。

弓やなぎなた、槍、剣になったり、魔法杖になったり。

僕は、この変身ヒロインに、長い鎌を持たせた。

その握り柄の近くには四角い装置が描き込まれる。

そして、このヒロインの名前だが。

ラブリーナイトと対照的な悪魔的で強そうな名前がいいな。

ウォリアーとか、ソルジャーとか。

それだと、どうも筋肉質でムサそう。

もっと語幹が鋭いものがいいな。

聞いてインパクトある名前。

戦士、兵士・・騎士、騎兵、突撃兵・・

うーん・・

あ、そうだ。

猟兵ってのはどうだろう。

『淫魔猟兵』!

(・∀・)!!

僕はミーナのイラストの右上に、『淫魔猟兵ミーナ見参!!』と、でかく書き入れた。

「淫魔猟兵、ミーナ・アシュカロン!!見参っ!!」

僕の耳元で、叫び声が飛び込んできた。

びくりとする僕。

「なーんて、言えばいいのかしら?」

「悪くないわね、いまの。『猟』ってのが気に入ったわ。」

「そうそう。戦うって言うより、狩るって感じね。」

僕が振り向くと、すぐ後ろで、ミーナとリサさんが話している。

いったい、いつの間に。

二人と目があった。

「見てたんだ。気づかなかったよ。」

「へへへっ、邪魔にならないように、おとなしくしてたのでーす。」

と、ミーナ。

「秀平さん、だいぶ集中されていたようですね。」

「そりゃぁ、結構頭使う作業ですからね。」

「なんかでもぉ〜、煩悩をそのまま形にしたようなコスチュームよねぇ。」

「確かに、少し偏りある気がするわ。」

うっ、リサさんまで。

「ほんと、ベタでスケベなコスチュームよね〜」

「なんていうか、なかなかないセンスね。」

「あんた、あたしにこういう格好させたいんだ?」

そうです。

「ミナに、似合うかなって思ってさ。」

「変態。ブルセラ廃人。」

こいつ〜!!

「な、何を言うか。僕は、そんなに制服に詳しくないんだぞ。女子高だって、どこがどんな制服か、分からないんだから。」

よって、僕は廃人じゃねぇ。

「でも、好きなんでしょ?ブルマとセーラー服。やっぱ、変態じゃない。変態さん考案の変身コスチュームでーす。」

「コホン。甘いな。実用性に優れたこのコスのすばらしさが、分からないのかね?」

「ぜんぜんわかんなーい。」

「まず、動きやすい。そして、悪魔でありながらも、少女性を視覚的に訴えるこのデザイン。なおかつ、緊急時のエネルギー補給の際は、このコスチュームのおかげで、僕からすばやい補給ができるのだ。」

「一番目は分かるし、三番目もまあ、がんばって理解してあげる。エッチするのに都合いいってことよね?でもぉ、二番目はなんなのよ。」

「悪魔なのに、心清らかな美少女戦士にみえるってことだ。」

「あんた、言ってて恥ずかしくない?心清らかだったら、こんなエッチな服着ないと思うな〜。ね、ねぇさん?」

「んんんん〜、難しいところね。」

「こんなの、心の汚れたコだってためらっちゃうよ。絶対ひくと思うよ。」

「私たち淫魔から見ても、なんとなくいやらしい感じがするわ。」

淫魔に、「変態」とか「スケベ」とか言われてる僕って。

うわぁぁぁぁぁああああん。

「まぁ、秀平さんがどうしてもっていうなら、これを採用してあげてもいいけどねぇ。どうかな、ねぇさん。」

「秀平さん、実は私、変身コスチュームの相談があって来たの。見たところ、これはこれで完成してるみたいだから、資料として、この下書きをかしてもらえません?」

「いいですけど。でも、いいんですか、こんなので。」

「ええ。参考にさせて欲しいんです。今はまだ、コスチュームも武器も、何も揃ってない状態。案でも、何でも、欲しいの。」

「ちなみに、今ミーナが変身するとどうなるんですか?」

「身体機能が強化されるわ。飛んだり跳ねたり、走ったり蹴ったりするのが強くなるのよ。」

「へぇ〜。どれくらい強くなるの?」

「冗談半分に、人に”ぶちかまし”をかけると木っ端微塵になるくらい。」

「えーーっ!すごーい。」

その”ぶちかまし”って、なんなんスか、リサさん。

禿げしく知りたい。

「そーだ、ところで、変身するときってなんて唱えればいいの?何かいわなきゃないんでしょ。」

「いけない!すっかり忘れてたわ!大事なことを教えてなかったのね。」

「ねぇねぇ、なんて言えばいいのよ。まさか肝心の言葉も忘れたんじゃないでしょうね。」

「掛け声は、『ラプチャ―・ドリーム・テンプテーション・ドレスアップ』よ。」

ながっ。

「ら?らぶ?何?ラブラブ?」

全く理解していないミーナが聞きなおす。 「ラプチャ―・ドリーム・テンプテーション・ドレスアップ。」

「らぷちゃー、どりーむ、てんぷてーしょん。・・ううっ。長いのね。」

ちょっとこれは、キツイな。

「いいかミーナ。いま紙に書いてやるからな。」

「うん。」

僕は淫魔猟兵のイラストの下に、小学生でも分かるようにひらがなで書いてやる。

「ふ〜ん、このとおり、さけべばいいんだ?」

「そうよ。ペンダントを握りながらね。」

「分かった!それじゃ、いくわよ!!」

いくわよって、おい!!

「ま、待った!!」

「何よ。せっかく人がやる気だしてるのに。」

ミーナはご立腹の様子だ。

「あのさ、変身って、エネルギーが解放されるんだろ?言ってみれば、花火打ち上げるようなもんだ。そういうの、外でやって欲しいんだけどな・・・」

部屋の中、火薬くさくなったり、火事になったら困るし。

今晩のローカルニュースの一こまを、僕の部屋の火事で飾る予定はない。

「ミーナ、そのペンダント、一回技術開発部に返そうと思うのよ。」

「えーーーー?なっ?なんで!?」

「今思いついたんだけど、秀平さんのスケッチを元に、変身で戦闘スーツを着られるようにしてもらうわ。」

「文字通り、変身になるわけですね。いまだと、素早くなったり、怪力がでたりするだけで、見かけ上は変わらないからなあ。」

「うーん・・みかけはいいよぉ。変化の術で、格好だけ変えればいいや。」

「ミーナ、戦闘スーツを着れば防御力が上がって、仮面レイダーに一歩近づけるわよ!」

「そ、そっか。よし!話は決まりね!」

たはっ、単純なやつ・・

しばらく談笑して、リサさんは技術開発部(どこなんだよ)に出発する。

「ミーナ、変身後の決めポーズ、しっかり考えておくのよ。」

「はーい♪ねぇさんも気をつけて!」

リサさんを送った後に気づいたけど、渡した資料。

あれって、月曜朝までに提出する物理の宿題だった。

もっと別な紙に書いておけばよかった・・


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