『悪のヒロインとエッチしましたが何か問題でも?』

<1>-<2>-<3>-<4>-<5>-<6>-<7>-<8>-<9>
本SS(短編小説)は、2011年から2015年ごろまでwisper様に掲載されていた作品です。
挿絵については、絵を制作された鈴輝桜様に許可を頂いて掲載しています。

<1>

まもなく午後1時。

太陽は高くアーケードの商店街を照らしている。

やっと訪れた小春日和。

しかし、日曜日であるにもかかわらず、人通りはまばらだ。

かつては街の顔であったこの商店街。

メインストリートから少し脇道に入ったところに、4人は立っている。

この4人はいかにも不審である。

10代後半の少女と、頭からシーツを被って姿を隠した何者かが3人。

閉店して久しいタバコ屋と去年廃業した本屋の間を走る路地に、人目を避けるように立っている。

シーツを被った1人の足元から、白い、タコの足ほどの太さの触手が延びてくる。

触手はじりじりと延びて、少女のお尻にそっと触った。

イメクラの店員と見違えるような、きわどい格好の少女。

青いシースルーのミニスカート、その下にはホットパンツを履いている。

少女の名はミカ。

彼女は、デジタル時計”G-SPOT”の読みを確認した。

「12:58。まもなくだ。おまえたち、今日は好き放題暴れるんだぞ。」

そういいつつも、ミカはシーツの3人組に背を向けて、メインストリートのほうを警戒中だ。

触手がミニスカートのさわり心地を堪能する。

彼女は、そのフェザータッチに気づかない。

突然、大量の触手がシーツ男(?)の足元から溢れ出し、ミカのお尻や太ももに絡まる。

「やっ!?バ、バカ者!離せ!あたしを襲ってどうする!!」

「ちょっとした予行演習でさぁ。」

シーツ男は、ふてぶてしくつぶやいた。

「ミカさん、いつ触ってもいい体してますよね。」

「バカッ!当たり前だろ!サキュバスなんだから!」

「今日の作戦が成功したら、僕と一発しませんか。すごいですよ僕の。いくらサッキュンでも”ひぎいいいい!”ってなっちゃうんですから。」

「もう一度言ってみろ貴様ッ!輪切りにして猫の晩飯にしてやるぞ!」

「ミカさん、怒ってもキレイですよね。ほんと僕大ファンなんですよ。僕らローパーの間じゃ、ミカさんがナンバーワンです。淫魔グラビアアイドル3人組なんて、全然めじゃないっすよ。」

「・・・分かった、黙って作戦に集中しろ。12:59、10秒、20秒・・・そろそろ秒読みだぞ。」

「サトーくん、イシカワくん、ミカさんのために頑張ろうじゃないか。」

「おー!」

「がんばるぞー。」

サトーとイシカワが応える。

先ほどからミカにちょっかいを出していたシーツ男の正体は、触手の化物ローパー”ヤマダ”である。

その側に控える二人は、同じくローパーの”サトー”と”イシカワ”。

G-SPOTのデジタル表示は12時59分50秒。

「10秒前。着剣!」

ローパーたちはシーツを脱ぎ捨てる。

不健康なほどに白い円錐形の体、だらしなく開いた口、いたるところに生えた触手。

3体あわせて数百を数える触手が、勇ましく振り上げられる。

「57、58、59、状況開始!」

ミカの号令にあわせて、3体のローパーが凄まじい足の速さでメインストリートに躍り出た。

たまたま通りかかった人たちが悲鳴をあげる。

3体は時速50km近い速さで別々に方向に散る。

男と40才以上の女性は相手にしない。

ローパーたちが求めるのは、若い娘の膣である。

この恐るべき魔物は、子宮に白い淫液を流しこむことで、娘を淫魔化する能力を持っている。

もっとも、淫魔化には時間が必要で、3日3晩牢屋の中で犯し続ける必要がある。

今日の作戦の目的は、娘たちを淫魔化することではない。

ミカは女の悲鳴を聞いた。

「さて、一人捕まったか。」

さらに悲鳴。

しかし、10秒経たないうちに、黄色い悲鳴が桃色に染まる。

「あ、あんっ!あ、ああ、ああああああ!あああああ〜!!!!!や、や、やあああ!イッくぅぅ〜!!」

ローパーのヤマダが、私立女子高校生を捕まえて、彼女の大事な股間をズポズポと犯しているのだ。

イったあともヤマダの責めが続く。

「や、また、また、い、イクうっ!!イクッ!イクっ!!!」

痛いどころか喜んでいる。

この女子高生、どうやら挿入慣れしている。

ミカは商店街の大通りに出た。

あたりに人の気配はない。

ローパーの姿も見えない。

「いやあああああああ!」

別な女の悲鳴が聞こえた。

激しい触手陵辱劇は、どこか裏路地で進行中らしい。

「2人目か。いいぞ!もっともっと暴れろ。」

と、ミカの携帯が鳴った。

携帯の着信を見ると、密偵役のタカハシの携帯からだった。

「はい、もしもし。」

「あ〜、どうもどうもタカハシです。お世話になってます。」

「どうした。」

「あのーミカさんねぇ。今ねぇ、南公園のバス停にバスが止まりましてね。」

「ヤツが降りたんだな?」

「そーですそーです、あの制服の子ですから。間違いありませんねぇ。いつも早いですよね。登場まで3分切ってますよ。困りましたねぇ。カップラ作る暇もないですねぇ。」

「了解した。」

バス停は、商店街のメインストリートの南端だ。

ミカは、大通りを南側に走り始めた。

(ヤツはローパーを倒そうと急いでくる!これが陽動だとも知らずに!)

人気のない大通りを駆ける。

向こうから同じように走ってくる娘の姿を認めた。


<次に進む>

<1>-<2>-<3>-<4>-<5>-<6>-<7>-<8>-<9>

悪ヒロ対正ヒロ製品紹介はこちら

ソンム製作所のホームページはこちら