『悪のヒロインとエッチしましたが何か問題でも?』
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本SS(短編小説)は、2011年から2015年ごろまでwisper様に掲載されていた作品です。
挿絵については、絵を制作された鈴輝桜様に許可を頂いて掲載しています。
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月曜の午後遅く。
終業を告げるチャイムが校内に響いた。
帰宅部のミカは、席を立つと学生カバンをとった。
教室を出て玄関に向かう。
玄関の下駄箱から黒いパンプスを出したところで、彼女は3人の女子生徒に囲まれた。
「お嬢様。お元気そうでなによりです。」
「よくぞご無事で・・・」
「ミカ様、無理は禁物ですよ。」
口々に労う取り巻きの3人を一瞥すると、ミカはパンプスを履いた。
「何か用か。」
冷たい口調のミカ。
「ミカ様、あたしたち、ミカ様の快復祝賀パーティーを計画してるんです!いかがです!?」
ミカは、美しく伸びた指先を唇にあてて、呟いた。
「皆の気持ちだけ、頂いておくよ。私はあいつを倒すことに集中したい。ではまた。」
そのまま、下級サキュバス3人を離れて家路につく。
(動き、気迫、鋭さ。たかだか娘一匹が、あれだけの力をもっているとは。)
脳裏に焼き付いたユカリの動きを、ミカは何度も何度も再生する。
歩きながら考える。
どう戦っていたら勝てたのか。
考えても考えても手がかりがない。
20分ほど歩いて、駅裏のアパートの自室に戻った。
寝室の照明をつけて、制服を脱ぐ。
下着姿になった自分を鏡に写し、艶のある髪を手で掬う。
「この私が、あんな・・・石ころみたいな小娘に負けるなんて。」
ミカは悔しくて、ため息をついた。
「ずいぶんとショックだったみたいだな。負けるという経験も、それなりにプラスになると思うんだけどね。」
その声に振り向くと、部屋の入口に白いペルシャ猫がいた。
猫は悠々と部屋に入り込んで、ミカの足元に座る。
「情報を仕入れたぜ。」
「ユカリの情報なら聞きたいけど。どんな情報だ?」
「おっと。ただじゃ言えないねぇ。情報はいつもどおり有料だよ。さ、取引の時間だ。いくつで買う?」
「使い魔のくせに主人と取引だなんて。相変わらずその感覚が理解出来ないな。」
「理解できなくていいよ。いくらで買うね。」
「2つ。」
「ンッンー、そりゃ少なすぎだな。」
「4つ。」
「ン〜。」
「6つ。」
「おおっ!交渉成立だ。うちは前払いだから頼むぜ、ご主人様。」
ミカはキッチンの冷蔵庫から缶詰『ぬこまっしぐら』6つを持ってくると、猫の前に置く。
一つずつプルタブを開けてやる。
「これで文句はあるまい。さあ、メフィストよ。話せ。」
「僕はユカリの後をつけてみたんだ。そしたら、いたのさ。いい相手がね。分かるだろ?」
「男のことか?」
「それなりにさっぱりとした好青年だったねぇ。でもお友達って雰囲気だったけどさ。」
「ふむ。」
「ユカリが君にいった『守るべき人』って、そのお友達じゃないかなって。」
「だろうな。」
「今日は6つだからサービスするよ。僕からの助言だ。そのお友達とやらを君が堕として、ユカリの心を折る。どうだい。」
「ふうん、相変わらず考えることが悪徳だな。」
「ユカリの男友達が君に協力したら滑稽だよね。そう思わない?」
「そうか?」
「ミカ様の肉人形になったお友達が、ユカリを刺し殺すとか最高だよね。」
「この鬼畜め。」
「クシシシシ!!!愉快愉快!」
「おまえの言ったとおりにするかは別として、その男がどんなものか見てみたい気がするな。案外、簡単にこちらに引き込めるかもしれないし。」
「面白そうだろ。」
「その男の好みはどんな娘だろう。調べてきてもらえないか。」
「クシシシ!すでに調査済みだよ!」
「ほお?興味深いな。」
翌日。
ミカの通学する西高校から5km離れた北高校。
この高校に、ユカリは通っていた。
彼女のクラスはホームルームを終えたばかり。
早い生徒は、教室を出て部活に行こうとしている。
「あ?あれ?ユウキくん、どうしたのよ。カバン持っちゃって。」
「いや、実はさ、今日は大事な買い物があって。」
「む!なんの買い物よ。さては、『パンツイーター・バースト』?」
「いやいや、そんなナンパなゲームじゃないんだ。」
「じゃあなによぉ。『ギャル☆ギャン』?」
「それはもう持ってる!」
「じゃあじゃあ、何を買うの?」
「いいだろっ、なんだって。とにかく今日は帰るんだ。じゃあなっ。」
「あ!ああっ!ユウキくん!今日の作戦会議はっ!?」
「明日でいいだろっ、明日明日。今日できることは明日しない!じゃあなっ!」
そういうと、山橋ユウキはさっさとクラスをあとにする。
(ユカリには悪いけど、毎日毎日サキュバス対策の秘密会議ごっこしてるわけにもいかないからな。)
今日は、ご当地グラビアアイドル『夢乃マユミ』のデジタルフォトデータVol.5の配信日。
ユウキは速攻で部屋に戻ってデータをダウンロードするつもりだった。
(今回は念願のスク水、体操着の回だっ。何があろうともDLせねばっ。)
逃げ出すように校門をすり抜け、早歩きで自宅に向かう。
(ユカリは、マユミちゃんがサキュバスかもしれないっていうけど、あれだけ可愛くっていい体してたら、サキュバスでもいいよな〜。)
このところ、有り余る性欲はすべてマユミに捧げていた。
(ほんと、マユミちゃんには大変お世話になってます。今回もこれからも、必ずDLしますからね!)
家まであと10分ほど、コンビニエンスストア『ドーソン』の前を通ったとき。
ふとドーソンの入り口を見ると、同い年くらいの女子生徒がこちらを見ている。
目が合う。
女の子ははっとしたように、こっちを見つめすぐに走ってきた。
(あの子ってまさか・・・)
ユウキは、その子の容姿が信じられなかった。
彼女はユウキの前まで来て、微笑んだ。
「山橋ユウキさん、ですよね!?」
「え、はい・・・そ、そうですけど。」
ユウキの心臓の鼓動が激しくなる。
信じられないが、その娘は夢乃マユミの容姿そのままだった。
相違点といえば、写真集のような水着でなく、西高校の制服であるくらい。
髪の後ろで結んだリボンの色まで同じだ。
「あはっ!よかった〜!あたし、西高校の夕瀬美歌って言います!実はあたし、ユウキさんのこと探してたんですよ!」
「じゃあ、何か用事が?」
「ええ、すっごく重要な用があるんです。」
身長はユウキより少し低いくらい。
胸や下半身の豊かさはグラビアそのままで、しっかり自制してないと今にも襲ってしまいそうだ。
制服のスカートは膝上何センチの世界で、非常に短い。
簡単にめくれてしまいそうだ。
黒のオーバーニーソックスとプリーツスカートの間が見事な絶対領域を生み出している。
「ごくっ・・・」
「大事なおはなしがあるんです。よかったら、お茶を飲みながらゆっくりと、どうですか?」
「も、もちろん。でも、どんなはなしなんだろ。」
「ちょっとここではできない話なんですよ。だから、二人でゆっくりと。いいですよね?こっち、来て下さい。」
横道に入るミカに先導され、ユウキはついて行く。
ふるん、ふるんと揺れるチェックのスカートとお尻を見ながら、ユウキは欲情した。
彼の体は、ミカの強い色香に音を上げたようで、トプトプと鈴口からカウパー液を漏らしていた。
ミカと並んで歩く。
「ミカさんってすごく可愛いね。」
「気に入ってもらえましたか?そうだったら、あたしも嬉しいです♪」
「気に入ったなんてもんじゃないよぉ。」
「もう少しだけ、我慢してね。お部屋についたら、二人だけで、とってもいいおはなししましょうね。」
その艶っぽい表情を見て、ミカが何を考えているかなんとなく分かった。
全身が淫らな期待に痺れる。
ごぷりとゼリー状の塊になった我慢汁が吹き出て、ユウキのトランクスをべったりと濡らした。
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