先日ハードディスクの故障について速報的にご報告しましたが、改めて詳細を書いていきたいと思います。
この記事では経緯・対応に絞って書いていきます。
同人活動をされているクリエイターさんやPCを日常的に使われている方に参考にしていただけるよう、私の考えも含めて少し詳しめにご報告します。
【概要】
4/16にゲーム製作用PC(以下製作用PC)のハードディスクが故障し、製作データが読み込み不能となった。
当日中にデータ復元業者に対応を依頼し、4/20に復元データを受け取った。
また、製作用PCの環境も復旧し、ゲーム製作が可能な状況に戻した。
【経緯】
4/15,昼
製作用PCでWeb閲覧中、リンク先にすぐに飛べない事象が発生する。
数回リンク先をクリックすることでリンク先には飛べたため、問題なしと判断した。
4/15,23時
Web閲覧後に製作用PCをシャットダウンするも、シャットダウン画面でHDDへのアクセスが継続する事象が発生する。
HDDへのアクセスが数分続いたもののシャットダウンに成功したため、問題なしと判断した。
4/16
早朝、製作用PCの電源を入れるも、数分待ってもWindowsが起動しない事象が発生。
リセットして再度起動をはかると、セーフモードか通常モードで起動するかの診断画面が表示されたため、通常モードでの起動を試みるが画面暗転ののち反応なし。
リセットして3度目の起動をはかる。
今度はスタートアップ修復を行うか否かの診断画面が表示されたため、Windowsのシステムファイルに障害が発生していると考え、スタートアップ修復を実行する。
スタートアップ修復開始直後、HDDのアクセスランプが一定間隔で明滅するのみで、正常なHDDアクセス音が鳴らない状況となる。
この時点で、製作用PCの内蔵HDDに物理障害が発生していると判断し、内蔵HDDを取り外して外付けのケースに入れて応急診断を始めることにする。
外付け化した故障HDDを別PCにUSB接続したところ、HDDとして認識することはできた。
故障HDDは2つのパーティションを切っていたが、システムドライブとして使っていたCドライブは一切読み込み不能、データドライブとして使っていたDドライブは読み込みに時間はかかるものの、フォルダとファイルを読み取れた。
即座にDドライブからゲーム製作のデータを吸い出そうとするが、吸出しの最中HDDへのアクセスが止まってしまう。
再度Dドライブを読み込むことはできず、ゲーム製作用のデータとして回収できたのは、最新の原稿とゲーム用画像の一部である。
RPGツクールVXAceのプロジェクトファイルは全てCドライブに保存していたため、読み込み不能。
別PCに保管してあるシュガーS対Mレッドのバックアップデータは、18/1/29を最後に更新していないため、故障HDDのデータを読み込めなければ2ヶ月半の手戻りが発生することなる。
Dドライブのデータについては前述のとおり一部回収できたため、Cドライブの復元を優先する方針とする。(HDDの故障が進行性である可能性が高いため)
Windows標準のエクスプローラーではHDDのCドライブを読み込めないため、データ修復ソフトの評価版を試すことにする。
試したソフトは次の2つである。
EaseUS Data Recovery Wizard Free
長時間かけてHDDを解析するものの、Cドライブのフォルダ構造は読み込めず。
Zero Assumption Recovery
Cドライブの使用セクタが不良セクタとして表示される。
下の画像の後1時間程度で解析は終了したが、スキャン済みのセクタは全て不良セクタとして表示された。
これらの結果から、HDDの物理故障は重度と推測した。
具体的な障害としては、
①コントローラー(制御基板)故障
②ヘッド故障
③プラッタ損傷
を想定し、自力でのデータ復元は不可能と判断した。
データ復元には一般に高額の費用を要するが、金策のめどがついたため、当日中に県内のデータ復元業者に故障HDDを持ち込み依頼した。
4/19 午前 データ復元業者よりデータ復元可能との電話連絡があった。また、復元したデータ保存用に、HDDを(復元業者から)購入するか持ち込んでほしいとのことであった。
4/19 夕方 データ復元業者に新品のHDDを持ち込み、手渡しした。
4/20 夕方 データ復元業者より新品のHDDに復元データを保存したので取りに来てほしい旨連絡があり、新品のHDDを受け取った。
4/22 夜 製作用PC復旧完了。RPGツクールVXAceのプロジェクトファイルも読み込めることを確認した。
4/23 夜 ゲーム製作作業再開。
【対応】
HDDの物理故障は進行性である場合があるため、診断作業は最低の通電時間で済ませる必要がある。
今回の故障では、Windowsのスタートアップ修復が失敗した時点で、論理故障ではなく物理故障であると判断した。
また、Zero Assumption Recoveryの診断結果を以って、自力復旧が不可能な物理故障であると判断した。
データ復元業者の選定においては、
・復元費用
・(東北大震災で被災したHDDのデータ復元を含めた)実績
・復元できなかった場合の費用
の3点を重視した。
【故障復旧に要した費用】
以下、税込み額。
データ復元費 86,400円
HDD購入費 6,970円
【特記事項】
故障HDDはHGST製HTS721010A9E630 で、推定使用時間は1万1千時間である。