前回の記事ではHDD故障の症状と対応についてまとめました。
今回は、その内容を受けての考察と対策を書いていきたいと思います。
【考察】
4/16に故障したハードディスクは、私が購入したなかでもっとも新しいものでした。
それでも推定使用時間は1万1千時間超に達しているため、故障の主な原因は経年劣化によるものと考えられます。
ただ、経年劣化が原因とはいえ、私の使い方のせいでハードディスクの寿命をかなり縮めてしまった、あるいはとどめを刺してしまった可能性があります。
3月~4月前半に行った『問題のありそうな使い方』としては、次のようなものがあります。
①ゲーム製作用PCで動画を収録、編集した。
②ノートPC用冷却板を買い替えたため、ゲーム製作用PCの傾斜角が急になった。
③Steamのゲームをゲーム製作用PCでダウンロードしてバックアップをとった後、別のゲーム用PCにそのデータを移動してインストールしていた。
①は、思うところがあってアマレコTVやBandicamを使い、ゲーム製作用PCでゲーム画面を収録するという試験を何回か行っていました。
実際に試験を行ったところ動画は問題なく録れるのですが、ギガ単位で動画ファイルが生成され、HDDへのアクセスも頻発することからマシンへの負担大と判断して、それ以上収録はストップしました。
試験的に行ったわけですが、これによりただでさえ虫の息だったHDDにトドメを刺してしまい、故障に繋がってしまった可能性があります。
動画収録や編集を行う場合は、故障してもよい『動画編集生贄用HDD』を決めて、そのHDDでのみ収録・編集を行うべきかもしれません。
少なくとも大事なデータが入っているHDDでの動画編集はやめておいたほうが良いと思います。
②については少し説明が必要です。
私のゲーム製作用PCは、2010年末に購入したデスクノート型のノートPCで、ゲーム製作のみならず普段使いの用途や軽くゲームするのに使っていました。
CPUとGPUにシリコングリースを塗り直すなどして手入れは行ってきたのですが、それでもちょっとしたゲームをするとGPUの温度が80度付近まで上がってしまいます。
もう少しGPUの温度を下げたいという思いがあり、4月頭にノートPC用の冷却板を購入し、10年以上前に買った冷却板と交換しました。
今回の冷却板の交換と3月に買った吸出し型の冷却ファンの効果によりCPU、GPUとも静かになって、冷却効果に大満足していたのですが・・・
足を立てた状態での冷却板の勾配が既設のものに対して急になってしまいました。
「机と冷却板の空間が広がったことでエアーフローが改善された」などと思っていたのですが、実際には、勾配きつめの板の上でHDDが動作を強いられたことにより、HDDの機構部に負荷がかかり寿命を縮めた可能性があります。
今は冷却板の足を折りたたみ、机に板を平らに置いた状態でゲーム製作用PCの下敷きにしています。
③も、②と関係がある項目です。
自分の部屋にはゲーム製作用PCの他にゲーム用(デスクトップ)PCがあり、重いゲームや新しいゲームはこちらのゲーム用PCを使うようにしていました。
ただ、デスクトップマシンであるので消費電力が気になります。
そこで、ゲーム製作用PCで作業している間にSteamを起動してゲームをダウンロードするという手法をとり始めました。
ダウンロードはゲーム製作用のノートPCで行い、実際のゲームをするときだけデスクトップPCを起動すれば・・・非常に無駄がない感じですよね?
しかし、ゲーム一本ダウンロードするたびに数ギガ単位のファイルを取り扱うことになります。
ダウンロードして、ゲーム製作用PCに一度インストールして、それをバックアップして、デスクトップPCに移動して再度インストールする(ゲーム製作用PCのほうはアンインストール)という手順になるのですが、一旦バックアップが入るため、ゲーム製作用PCのHDDにとっては余計な負担がかかります。
正確には覚えてませんが、こうして30GB程度のゲームをデスクトップPCに移動させたのではないかと思います。
こういった余計な負担が、HDDにトドメを刺した可能性は否めません。
上記の①~③が実際にどの程度HDDの故障に影響したのか、あるいは影響しなかったのか。
真相は分かりませんが、今回の故障の間接的あるいは直接的な原因となった可能性はあり得ます。
また上記①~③の他に、
④故障したハードディスクは、単にたまたま「ハズレ」のハードディスクだった
という可能性もあり得ます。
①~③は全く関係がなく、私がハズレを引いただけの話だったのかもしれません。
いずれにしてもHDDは復元業者さんのほうで処分されたらしく、私の手に戻ってくることはありませんでした。
【対策】
今回のHDD故障における最大の問題は、実はHDDの故障ではありません。
製作中のゲームのデータを読み出す手立てを失ってしまったこと、言い換えれば製作データのバックアップをとっていなかったこと、これが最大にして唯一の問題です。
HDDは消耗品でよく壊れるものです。
これは常識です。
常識として理解していたのに、日々の作業に追われるあまりバックアップをおろそかにしてしまった。
「バックアップは時間があるときにやればいい」という程度の意識だった。
これが問題の核心だと思います。
故障したのは4/16ですが、もしも4/15のバックアップデータがあれば、何も問題はありませんでした。
10万近い急な出費もありませんでした。
しかし実際には、私の手元にあったバックアップデータは1/29時点のものでした。
今回のことを契機に、「作業データのバックアップ体制」を確立することにしました。
これからはバックアップは定期的に、多重で、異なるメディアに記録します。
具体的には、次のようなやり方でバックアップをとっていきます。
A 作業バックアップ 毎日作業終了時にSDHCカードに製作データを上書きバックアップ
B 隔日バックアップ 毎日作業前に外付けHDDその1に製作データをバックアップ
C 5日毎バックアップ 5日毎作業前に外付けHDDその2に製作データをバックアップ
SDHCカードは端子の消耗が気になるので毎日抜き差しはしませんが、外付けHDDはPCから常時取り外しておき、バックアップをとるときだけ接続します。
このようにして3段階のバックアップをとることで、HDD故障によるデータ喪失を最小化できるはずです。
これらA~Cのバックアップは4/23から実施しています。
今後のゲーム製作においてはこの手法を採用し、データ喪失に備えていくつもりです。
また、自室のPCの構成も見直しました。
考察の項目で書いたとおり、今まではゲーム製作(兼普段使い兼ゲーム)用PCとゲーム用PCの二本立てでしたが、今回は新たに普段使い用PCというものを導入しました。
平たく言えば、手持ちの余った部品で組んだツギハギPCです。
調べものをしたり、ちょっとしたゲームをやったり、ネットサーフィンをしたり、気楽な使い方をするときは、このツギハギPCを使うことにします。
こうすることで、ゲーム製作用PCやゲーム用PCに余計な負担を加えずに済みます。
そしてこの普段使いっていうのは、思いの外使用時間が長いんですよね。
実はこの原稿も普段使いPCで書いてます。
以上、考察・対策編ということで書いてみました。
考察の項は真相が分からないので肝心の結論はありませんが、対策等皆さんの参考となる箇所があれば幸いです。